「農民」記事データベース990712-412-04

世界に広がる遺伝子組み換え(GM)食品ノー!

ボイコット・規制へ動く

 遺伝子組み換え(GM)食品をめぐって、いま世界は大きく揺れている。「バイオ国家戦略」のもと、GM食品の開発、売り込みで、世界の食糧・農業支配を企むアメリカ。これに対抗、EU諸国を始めアジア、ラテンアメリカなど世界の各地では、自国の食料、農業守れとGM食品の規制、ボイコット運動が大きく燃え広がり、WTO次期交渉の大きな焦点に浮上している。


EU諸国

  • すべてのGM食品(種子、資料、農産物、加工食品、食料添加物、香料)の表示義務化(98年9〜11月)
  • GMトウモロコシ(Btコーン)の新たな認可を凍結(99年5月)
  • 環境相理事会がEU法を修正し、GMの規制強化で合意。当面、新たなGM食品の生産・流通を禁止(99年6月)
  • 英国セインズベリーなど欧州6ヵ国のスーパーチェーン各社が連合して生産、流通、加工、販売のすべてにGMが混入していないことを証明できる体制を確立
  • EUが輸入する米国産トウモロコシの輸入は、GM品種混入を嫌い、98年は前年の6分の1に激減

スウェーデン

  • すべてのGM食品に周知義務づけ(97年7月)

オランダ

  • GM大豆を使用したすべての食品に表示義務化(96年12月)
  • GM生産の特許を禁止

オーストリア・ルクセンブルグ・ノルウェー・デンマーク

  • すべてのGM作物・食品の流通・販売を禁止

イギリス

  • すべてのGM食品の表示義務を法制化。レストラン、カフェーのメニューも表示対象に。違反は罰金百万円(99年3月)
  • 自治体協議会は学校、庁舎、養老院での給食にGM食品を禁止する決定(99年2月)
  • すべてのGM作物の栽培禁止を検討中
  • チャールズ皇太子も「GM食品を食べない」と表明。ホームページにGMフォーラムを開設し1万件を越える応募
  • 多国籍企業ユニリーバ、ネスレ、マクドナルドもGM排除を表明

フランス

  • GM食品表示義務化(97年2月)
  • Btコーンの種子販売、栽培を一時凍結(98年9月)
  • GMナタネ、テンサイは栽培禁止(98年10月)

スイス

  • GM使用食品容器に表示義務化(98年3月)
  • GM食品禁止国民投票で、僅差で不成立(98年6月)

ギリシャ

  • GMナタネの輸入・販売禁止(98年10月)

インド

  • 南インド・アンドラブラディシュ州がGM作物の栽培を全面禁止(98年)
  • 市民、農民はモンサントが試験栽培中のGMコットン(ワタ)を引き抜き燃やすなど、全国でモンサント追放運動を展開中
  • 最高裁判所がモンサントのBtコットン試験栽培を全て停止する判決(99年2月)

オーストラリア・ニュージーランド

  • 両国の合同食品基準協議会は、これまでの表示不要を撤回し、全てのGM食品に表示義務化を決定(98年12月)。現在、両国食料局が実施方法を検討中

マレーシア

  • GM食品の安全性確保法案を国会で審議中

タイ

  • 農業副大臣がGMワタ(Btコットン)試験栽培委員会を廃止宣言(99年春)

日本

  • GM食品22品種を認可し、無表示で流通
  • 農水省が、GM食品の表示のあり方を検討中

韓国

  • GM食品の表示義務法が成立(98年12月)

ブラジル

  • 農水省はGM大豆など5品目の生産・販売を許可したが、27州ある全ての州政府が一次凍結せよと表明(99年5月)
  • 大豆主要産地のリオ・グランデ・テル・スル州はGM大豆禁止を宣言

ラテンアメリカ

  • ラテンアメリカ諸国約50の農民・環境・消費者団体がエクアドルに集まり、GM作物に反対を表明(99年1月)

アメリカ

  • GM作物の開発・輸出国で、表示義務なし
  • メーン州議会にGM食品の表示法案が提出された(99年5月)。ニューイングランド州も表示を検討中

カナダ

  • GMナタネなどの生産・輸出国で表示なし
  • モンサントのGMによる牛成長ホルモン(rBGH)の製造・販売を禁止(99年1月)

(新聞「農民」1999.7.12付)
ライン

1999年7月

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