「農民」記事データベース990802-415-15

地元農家の熱い期待うけて

山形・鶴岡市農業委員に初当選

菅井巌さん(農民連青年部長)が奮戦記

 三年に一度の全国いっせい農業委員選挙が七月十一日に投・開票されました。各地で農民連会員が立候補しましたが、山形県鶴岡市の農業委員選挙に農民連青年部長の菅井巌さん(30)が初立候補して当選を果たしました。菅井さんから奮闘記が寄せられました。


 定数二十六人に二十七人が立候補の少数激戦で、しかも十八年ぶりの選挙となりました。

 私は新人で実績も知名度もなく、毎日汗だくになって地元・鶴岡市大山地区の約二百戸の農家を訪問しました。農作業をしていれば、そこに走っていき、対話をしました。街頭宣伝を行い、同時に毎日「いわお奮戦記」ビラを届けました。
 最初は警戒心を抱いていた農家も、告示後三日目頃からは「ごくろうさん。頑張れよ」「若い者に頑張ってもらわないと困る」の声が出てきました。そして「感心だ。熱意を感じる」と期待されるようになりました。

 まわりの状況が地元集落も変えていきます。滑り出しは消極的だった地元集落の人たちが応援してくれるようになり、有志の人たちが家ごとに「いわおをなんとか農業委員にしてやろうぜ」と訴えてくれました。
 理屈ではなく、地元農家の人たちから熱意を感じてもらい、「こいつにやらせてみるか」という期待が今回の投票結果だと思います。二十六人中十七番目で当選。二百二十一人の農民から私に期待する票をいただきました。この期待に応えるのが、三年間の農業委員としての活動です。

 いまの国のすすめる農政では、ますます後継者をあきらめさせる状況です。しかし、農業委員会が、文字どおり「農民の議会」として農家の利益を守り、農地を守る立場でやっていくことができるなら、地域での農業への展望も生まれ、後継者も育つと思います。

 「ただ、いまは前進あるのみ」。言うべきことは言い、他の農業委員とも共同して「地域の農業が良くなる方向」で一歩ずつ前進したいと決意しています。

(新聞「農民」1999.8.2付)
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1999年8月

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