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ナタネと地域農業再生考える

青森・横浜町でシンポジウム

“交付金継続、価格補償を”


 「ナタネ日本一の町から農業の再生と地域の発展を考える」シンポジウムが七月二十四日、青森県横浜町で開かれ、六十人が参加しました。食と農を守る青森の会と同横浜町連絡会の共催。

 パネラーは菊地繁実さん(横浜町農林課長補佐)、沢目礼子さん(地元の主婦)、竹林光幸さん(農協営農販売指導係長)、沖津正博さん(生産者)、石黒昌孝さん(農民連分析センター所長)の五人。コーデイネーターは小笠原美徳県労連議長が行いました。
 最初に、小田切青森生協連会長が「横浜の菜の花はなんとしても守りたい。三十万人の生協組合員も今回のシンポを注目している」とあいさつ。

 シンポでは、菊地さんが「菜種を五百三十九ヘクタールの面積で作っており、町の誇り。しかし、農水省は菜種の交付金を地域の実態に応じ、別の形にするとしている。交付金の額は全国で一億円程度。なんとしても、十分な支援措置をお願いしている」と発言。沢目さんは「横浜町の自慢は菜種、ニンニク、やまのいもなどの野菜をはじめ、帆立貝、なまこなどがある。これらをもっと上手に宣伝できないか。国産で安全なものを適正な価格で、安定的に供給して欲しい。これが主婦の願い」と話しました。

 竹林さんは「菜種は日本一で、無エルシン酸のキザキの菜種を栽培している。農協では、主に米沢製油で搾油してもらっている。鹿児島に三百トンの菜種油がいき、薩摩揚げに使われている。交付金が廃止されれば、経営は困難になる」と語りました。

 沖津さんは「交付金がなくなれば、安くてやっていけない。機械代もかかるし、菜種を植えなくなると思う」と言い、石黒さん「菜種は自給率がたったの〇・〇五%。遺伝子組み換えの菜種が六十九万トンも輸入されている。農民連は北海道、福島、茨城などで菜種の作付けを増やしている。政府は交付金を廃止し、作らせない方針。生産者、消費者、町、農協などが力を合わせて頑張れば、交付金は守れる」と強調しました。

 討論では活発な意見が出され、みんなで価格補償を守り、横浜を発進基地に日本中に菜種作りを広げていこうと確認しました。
 翌二十五日、参加者は沖津さんの畑で菜種の収穫作業を体験しました。

(新聞「農民」1999.8.16付)
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1999年8月

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