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四国・松山で第45回日本母親大会

食の安全・自給に大きな関心

 七月三十一日〜八月一日、第四十五回日本母親大会が、夏目漱石「坊ちゃん」の舞台として知られる愛媛県松山市で開かれました。四国で開催されたのは初めて。延べ一万九千人が参加しました。一日目は愛媛大学・松山大学で七十余項目のテーマが話し合われ、二日目の全体会は記念講演、構成劇の後、大会宣言・決議が万雷の拍手をもって承認されました。「構成劇・今日の運動」では、農民連の女性たちが壇上で「一俵六〇〇円!米の投げ売りやめよ」「WTO協定を改定せよ」の横断幕を掲げ、多くの国民が願っている国産の物が買えるように市場・小売・自治体・消費者と協力して農業を守りましょうと訴えました。


「農守ろう」の発言が次々/「日本の農業と食料危機打開」分科会

 約六十人が参加。
 農民側からは「米を作っているが、今後生き残れるのか」(山口)「今農業だけで子供を育てるのは困難」(愛媛)「大豆トラスト運動の中で、加工所を作ろうと農家の母ちゃんたちから声が上がった」(福島)「農家の当面の問題は農産物の価格の問題。七年前価格安定基金制度を作った」(愛媛・自治体職員)

 農民以外から「今年の消費生活展で新農基法を扱うので教えてほしい」(東京)「社会科の教師。日本の農業がどうも変だだと思っていても、子供に説明できない」(沖縄)「自給率向上のために消費者ができることは何か」(神奈川)などの積極的な意見が相次ぎました。

 助言者の小林節夫農民連代表常任委員は、「農民号外」を示しながら、「政府は米の作況指数が百%を越えた分はエサ用に回すことを検討している。米を作るなということだ。私たちは励ましあって物を大いに作ればまだまだやっていける」と参加者を元気づけました。

(村上)

表示、安全などで活発な論議/「遺伝子組み換え食品、クローン」分科会

 ことしから初めて設けられた分科会。遺伝子組み換え食品の安全性や環境への不安が高まっている時期だけに関心が高く、百三十人が参加して会場は満員。助言者の林秀則愛媛大学理学部教授は、これまで自分で行ってきた遺伝子組み換え実験の成果をもとに、「百%安全な食品はない。組み換え作物のもつプラス面もふくめもっと知る必要がある」と、DNAやたんぱく質など、高校生になったような気分で基礎的な講義を受けました。

 ゲストとして参加した農民連の塚平広志さんからは、「表示も示されず、毎日の食卓に押し寄せ、知らないうちに食べさせられている」という現実の問題から考えようと、その安全性、生態系への影響、第二次大戦で毒ガスを作ったり、ベトナム戦争で枯れ葉剤を作った農薬会社が企業利益のために遺伝子組み換え食品を開発し、売り込んで来ている事実を報告しました。

 これをめぐって参加者から素朴な疑問や不安、今後私たちが遺伝子組み換え食品にどんな運動をしていけばよいのか話し合いました。表示の義務づけの早期実現、食糧自給率の向上、日本の農産物を安心して食べられる農業政策の転換を政府に求めるなど、五つの申し合わせを決めました。

(岩手・伊東庚子)

国産・地場産の食材使おう/「学校給食」分科会

 亀岡市では革新市政下で市直営のセンター方式の給食が始まりましたが、革新市政が四年間でつぶれたとたん、学校給食が農協委託になってしまいました。
 その中で針の混入事件が起き、輸入鶏肉から出た中国製の針であったことがわかったそうで、地元のものを使っていると言いながら、農協が給食をもうけの手段とし安上がりの輸入食品を入れていたのです。

 埼玉農民連の参加者から「学校給食で地元産を使うことによって農業を守ることができる。学校給食のパンに、地場産百%の小麦を使うことは農民を励ます」と発言。
 兵庫農民連の参加者は地場産のものを使うことになったのに給食のメニューが旬のものを使うようになっていないことや注文量が多すぎて対応しきれない現状が語られました。

 国産、地場産を使うことが安全面からも、教育面からも大切なことで、農業を守っていく道であると感じました。

(埼玉・棚橋順子)

内子町など見学、農家と交流も

 バスで移動しながら内子町、宇和町を見学する分科会に参加。木ロウと白壁のまち・内子町を案内していただいた後、野村町中央公民館に到着。農民連の和気敬子さんの作ったトマトやキュウリ、また食生活推進協議会グループの手作り料理のおもてなしを受け、一時間の交流会はあっという間に終わりました。
(茨城・小林恭子)

(新聞「農民」1999.8.16付)
ライン

1999年8月

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