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市場出荷研究交流会開く

各地の豊富な経験あつめて

 農民連は十一月二十三、四日の二日間、熱海市で「市場出荷研究交流会」を開催。小売り卸との共同の取り組みとして各地ですすんでいる市場出荷の経験を交流し、学び合いました。

 小林節夫代表常任委員のあいさつ、齋藤敏之生産流通対策部副責任者の基調報告をうけて、各地から報告がおこなわれました。

 和歌山県紀ノ川農協の松本和広さんは、これまで産直の余剰対策としての市場出荷にとどまっていたが、組合員が安心して出荷できる仕組みを作り、地域の農家を多数組織するうえで流通の七六%を占める市場を視野に入れる必要があると強調。荷姿も工夫し、安定した市場出荷に力を入れたいと発言しました。

 埼玉県農民連の松本慎一さんは、手探りでスタートし、市場に何度も足を運び、八百屋さんとも懇談しながら上尾市場との取り組みをすすめてきた経験を報告。一年間で十四県三十数品目、三千万円を越え、全国ネットの強みを生かした取り組みは八百屋さんにも喜ばれ、「買いたたくと良い物が来なくなるゾと責任者が若いセリ人をしかる事もあった」など、お互いの意見を通わせながら取り組みの重要さを強調しました。

 十一月から都内にある北足立と築地の二つの市場に出荷を始めた茨城県農民連の奥貫定男さんは、出荷を前提にした市場との懇談がきっかけになり、茨城だけでなく全国から供給するということで、市場側は大きな期待を寄せ、農民連コーナーも設置されたと報告。農民連の荷物だとひと目でわかる箱やシールも作ってほしいとも言われているとし、全国の力で市場出荷を大いに発展させようと参加者に呼びかけました。

 二日目の討論では、「頑張って良い物出そうとすれば評価される。夏から秋にかけて二十名の会員を増やした」(栃木)、「生産者自らが市場に足を運び自分の生産物のレベルを確かめることが大切。取り組みを通じ六人の会員を増やした」(茨城)などが報告されました。

(森吉/新聞「農民」1999.12.6付)
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1999年12月

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