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子どもに食・農・健康の大切さを教えよう

――家庭栄養研究会30周年シンポ開く――


 家庭栄養研究会三十周年記念の「子どもの生きる力をはぐくむ食・農・健康」シンポが十一月二十一日、東京で開催され、約三百人が参加しました。

 食と農の大切さについて「子どもが農業をしたり、料理を作ったりすることで生産や労働の価値を知り、自ら主体的に行動するようになる。教科書でも農業の記述が減っており、農を子どもたちに教え、体験することは重要です」とパネラーの国民教育文化会議代表委員の三上満さん。

 「一年の山菜から、麦、蚕、川魚、豆腐、米、沖縄料理まで全学年で、田んぼの稲作りをしたり、よもぎ団子や豆腐作りを含め、食と農の教育を行っている。命を育む大地と生産の価値に目を向け人間にとってなにが大切かを学ぶことが大切です」と行田稔彦和光小校長。

 また、会場から長野農民連信濃平の足立ていさんが「農民連民宿部会を作り、大企業とたたかい頑張っている。横浜などの小中学生を迎えて自然体験教室を行っているが、子どもたちは蛙や稲、花や緑の中で元気いっぱい。農作業やそば打ちや篭作りを体験。料理も自分たちの作ったものを並べているが、みんな美味しいと食べてくれ、別れを惜しんで帰る。子どもからは忘れられない、親からも素直になったと便りがくるなど、喜ばれている」と発言。

 パネラーや多くの参加者から、もっと自治体にこうした自然や農業体験学級を増やすようにしたいという発言が相次ぎました。

 また、最近の子どもの健康について、「食事は五感を育てる場。小さい時の食が人間の一生を左右する。もっと外にでて、身体を動かし、何でも食べられるようにしたい」と共同保育園栄養士の白井晴美さん。

 「子どもの特徴はアレルギーが激増。視力も低下。疲れ易い。皮膚かさかさ、低体温、不活発型が増加している。原因は有機りん系農薬の増加ではないかと思う」と正木健雄日体大教授。

 子どもの身体に異常が広がり、体力が落ちています。有機リン系農薬がふりかけられた輸入食品が激増しているなか、正木教授も「小麦だけでも、輸入を減らせないか」と発言。国産を増やして、子どもたちに安全なものを食べさせることの大切さや農業を体験し労働の価値を知ることで、人間らしく主体的に生き、希望を育くむことができるということが色々な角度から鮮明になったシンポでした。

(新聞「農民」1999.12.6付)
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1999年12月

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