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地元でとれたおいしい新米です/福島・須賀川農民連

正月のお餅にどうぞ

老人ホーム(3ヶ所)に心温まる贈り物


 「おいしい地元のもち米でお餅を食べて、お年寄りによい年を迎えてもらおう」と、十一月中旬、福島・須賀川農民連は、自分たちが丹精込めた新米のもち米を市内の三カ所の老人ホームに一俵づつ贈呈しました。

 どのホームの園長や婦長さんも「餅やおはぎにして食べさせたい」「餅つき大会を開きましょう」と、たいへんな喜びよう。同時に、「介護保険が始まれば退所しなければならないお年寄りがいる」「職員の数も今の半分に減らさなければならない」など、来年四月から始まる介護保険制度の様々な問題について話し合いました。

 「お年寄りは食べること自体が仕事ですから、園でもいろいろ工夫していますが、こういう贈り物はたいへんありがたいです」と、特別養護老人ホーム「シオンの園」の武田和典園長。一方の須賀川農民連の松川正夫会長も「お年寄りの喜ぶ顔が見れて、農家の立場としてもうれしい」。

 また、その席上で「地元でとれたお米を食べさせたい」という話が出たことから、農民連はさっそく十二月一日に、試食用のうるち新米とその朝収穫したダイコン、ハクサイ、ジャガイモを届けました。贈り物をリアカーに載せ、入所者に見せて「漬け物をつくりましょう」と声をかけて廻る武田園長。新鮮な野菜にお年寄りの方々も顔がほころびます。「おじいちやん、おばあちやんはダイコンの葉っぱや小イモを甘辛く煮たのが大好きなんです」。

 昼時になると、あちこちの炊飯器からシューシューと湯気があがり、お米が炊けるいい香りがしてきました。「シオンの園」では、大釜を使わず、介護者も一緒に食事するなど、できるだけお年寄りがこれまでの暮らしに近い生活が送れるように配慮しています。しかしこうしたことは、介護保険制度のもとでは、評価の対象になりません。「お年寄りを物みたいに扱って、金儲けの道具にしようという制度。正職員を減らしてパートを増やすしかない」と園長。市に対しても支援を求める要望書を提出しました。

 これがとりくまれることになったのは、農民連の役員会などで介護保険の学習を重ね、七月末の市長との懇談で、「我々も要求するばかりでなく、地域に奉仕したいと思っている」と申し出たことから。松川会長は「社会に奉仕する活動に積極的にとりくんで、農民連をメジャーな存在にしたい」と言います。このとりくみは地元紙の「あぶくま時報」でも報じられ、会員の拡大にも弾みがついています。

(二瓶康一/新聞「農民」1999.12.13付)
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1999年12月

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