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農地の固定資産税引き下げよ

農民連が自治省と初交渉


 固定資産税評価替えが三年に一度行われますが、来年はその年に当たります。それを前にして農民連の代表は十二月九日、自治大臣あてに「安心して農家が農業をやっていけるよう固定資産税の引き下げ等を求める要請書」を提出するとともに、同省税務局固定資産税課の山崎一樹理事官らと交渉しました。農民連が固定資産税問題で自治省と交渉したのは初めてです。

 要請項目は(1)市街化区域の農地は、宅地並み評価をやめ、収益還元方式で課税標準を決める(2)三大都市圏の生産緑地の追加指定を推進し、一般市街化区域も生産緑地と認める(3)農業用施設用地はすべて農地並みとし、造成費などの名目でかさ上げをしないこと、などの五項目。

 山崎氏は「農業施設は広範囲に認められる。水耕栽培施設も含まれる」「造成費は不要の場合もある。実情を考えて、あくまでも農地を中心にして決める。自治体の裁量で決める」と、農民連の要望を認めました。また、生産緑地について、山崎氏は「三大都市圏だけでなく、その他の市街化区域でもできる。建設省に要望は伝える」と答えました。さらに「自治省の通達に従わずに固定資産税を余計に取りすぎた分は、返すこともあり得る」ことを明らかにしました。

 農民連の固定資産税・相続税・都市農業対策部の山口和男部長談 交渉に参加して、驚いたのは生産者米価の値下がりなど農産物の採算割れが激しいとき、自治省は農地の固定資産税の引き上げを図っていることです。こんな自治省だから一般市街化区域で「固定資産税が小作料の倍以上になっている」と言われてもピンとこない様子。農業施設用地の宅地並み評価を農地比率評価にさせたのは農家のたたかいの成果です。加算する造成費は「市町村にまかせる。ゼロもありうる」との回答を得たことは前進といえます。

 また、愛媛県松山市などの三大都市圏以外の都市でも生産緑地指定ができることがはっきりしました。これで小作料より高い固定資産税問題も解決できます。

 農民連は固定資産税・相続税などの全国交流会を十二月八日開き、都府県連から三十人が参加しました。

(新聞「農民」1999.12.20/27付)
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1999年12月

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