「農民」記事データベース号外-9902-01

コメ「関税化」は自由化そのもの

WTO協定は改定できる!

[1面]


価格保障のあいつぐ廃止
これで21世紀の農業は守れるのか

「関税化」しても外米は増え続ける

イラスト 早く関税化すれば外米の輸入が減る――こんな宣伝が行われていますが、事実は逆。外米輸入は減るどころか増え続け、北海道・新潟の生産量に匹敵する約七十万トンになります。
 「伸び率」がわずかに減って、七万六千トン減るにすぎません。これは、インドネシアに援助した五十万トンのわずか一五%。この程度は援助に回せば済む量です。
 「一文をおしんで百を失う」――政府が言う“実利”はこの程度のものです。

1俵6000円〜9000円で外米輸入の事態も

 関税以外には、外米の輸入を抑える手段がなくなる――これが「関税化」です。
 政府は最初「一〇〇〇%も関税をかけるから、外米は入ってこない」と大ミエをきっていました。しかしアメリカから圧力がかかると、とたんに関税の表示を変えて「一キロ三百五十一円」にトーンダウン。これは、アメリカ米にとっては四〇〇%程度の関税。日本の農民向けには「一〇〇〇%」、アメリカには「四〇〇%」という二枚舌です。
 さらに、アメリカの農務長官や通商代表をつとめたヤイター氏は「関税化は非常に大きい成果であった。高関税を設定されても(日本などを)関税引き下げ交渉が行えるような立場に追い込んだ」と言っています。
 アメリカの圧力で関税率が下げられれば、一俵(60キロ)六千〜九千円で外米が入ってくることさえありえます。げんに牛肉自由化のあと、関税率は七〇%から約半分に下がったではありませんか。

WTO協定改定こそ世界の流れ

 世界の食料不足と飢餓は改善されるどころか、ますますひどくなっています。とくに深刻なのが、米を主食とするアジア。  WTO加盟国の三分の二を占める発展途上国からは「WTO協定のもとで甘い汁を吸っているのはアメリカを中心とする一部の輸出大国だけだ。“自由貿易”ではなく“互恵貿易”のルールを」という声が強まっています。
 先進国でも「圧倒的多数が食料安全保障や農業の多面的機能の問題を強調し、アメリカなど輸出国側がタジタジとなって、受け身に回った」(東・前農水審議官)といわれる状況です。
 “なにがなんでも自由化”これは、アメリカと、世界の食料を支配する巨大アグリビジネスの身勝手な言いぐさです。
 交渉もせず、白旗をあげて全面降伏安保条約のもと、アメリカに頭が上がらない自民党政府の態度は世界の物笑いのタネです。

WTO協定のここを改定せよ

 世界では不足、日本では「過剰」なのに、外米の輸入を義務づけるミニマム・アクセスのバカバカしさ。
 米価が暴落しても何の手も打つな、転作して米以外のものを作ろうとしても価格保障をやるなというWTO協定の内政干渉。  WTO協定には、こういう「影響」をきちんと分析し、食料安全保障や環境保全など農業の多面的機能を尊重して、協定を見直すことが明記されています。
 大義は国民と農民の側にあります。
 (1)「例外なき関税化」をやめ、米などを自由化の対象からはずすこと。
 (2)価格保障など、農業生産拡大への援助は各国の自主性にまかせよ。
 (3)消費者の不安に応える安全基準を認めよ。
 来年早々から始まるWTO再交渉では、ヨーロッパ諸国や発展途上国と手を組んで、こういう立場を堂々と主張すること私たちは、政府に強く要求します。

☆いっせい地方選挙は「関税化」後最初の国民的審判の場
 米自由化・価格保障廃止を進める政党に審判を!
☆アメリカの引き起こす戦争に日本をかりだす「戦争協力法」
 「ガイドライン関連法案」を廃止させよう!

「関税化」に赤信号。「決着済み」どころか運動次第で阻止できる

 農民と国民に何も知らせずに、米関税化をドサクサまぎれに強行したツケが、政府に回ってきています。
 関税化を四月から実行するためには、三月中にWTO協定の改正案と法律四本を国会で承認してもらわなければなりません。ところが、協定改正案を国会に提出できるのは、どんなに早くても三月二十三日。期限までわずか一週間です。
 日本の関税化案をWTOに提出してから三カ月間、“棚ざらし”にして、各国の検討を待たなければならない政府がWTOに関税化移行を通告したのは十二月二十一日で、三カ月後の三月二十二日まではWTOのオーケーが出ないためです。
 政府は苦しまぎれに「国会の承認がなくても関税化は実行できる」と言っていますが、こんなことは憲法上許されません。関税化の強行は、中身も民主主義のルールからも許されない! 農村から都市から、国会にむけて、「関税化はやめろ」の声を強めようではありませんか。

「WTOがダメと言っているから価格保障を廃止する……」
日本農業はいったいどうなるのか

 政府・自民党は、三月までに牛乳の価格保障を廃止することを決め、引き続き小麦やナタネ・大豆、てん菜や砂糖きび、でん粉用ジャガイモ・サツマイモの価格保障も廃止することをねらっています。
 いずれも「WTO協定が削除・廃止を求めている」から、という理由です。
 WTO再交渉を前に、何も交渉せずに価格保障廃止の「白旗」をあげるこれでは、米関税化の二の舞ではありませんか。  「二十一世紀は価格保障のない時代に」政府のこんなねらいを許さないため、農業と食糧を守りたいという声を大きく集めて頑張ろうではありませんか。

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