新聞「農民」
「農民」記事データベース20081027-850-10

外米の輸入やめなければ
汚染米の真の解決はない(1/2)

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 汚染米の不正転売事件を引き起こしたMA(ミニマムアクセス)米。99年の国会で、「輸入は義務だ」と強弁していた政府を鋭く追及し、「義務ではない」ことを明らかにした日本共産党の中林よし子元衆院議員に話を聞きました。


99年当時MA米問題で質問した

中林よし子元衆院議員(日本共産党)に聞く

画像 今回の汚染米事件の経過や各党の追及を見ていると、MA米の存続を「見直す」とか「廃止する」とかの議論がないまま、「農水官僚が悪い」とか、「いかに汚染を広げないか」ということだけにきゅうきゅうとしています。これは政府も民主党など他の政党も同じです。

 輸入米などがなかったら、汚染米事件もなかったはずです。やはりMA米の廃止なくして、汚染米の真の解決はありません。

 99年の国会では、MA米の枠を拡大しない代わりに、米を関税化するという法案を審議していました。その時に、そもそもMA米の全量輸入が義務だとWTO協定のどこに書いてあるのか、調べてみたら、どこにもなかったのです。MA米が“輸入機会の提供”でよいのなら、国内に需要がなくて全量輸入できなくても、政府がしっかりした態度で説明すれば、輸入は義務ではないのです。

画像
荷揚げされるMA米(横浜港)

 今、改めて、このことを明らかにしていて、本当に良かったと思います。同時に、このようなMA米が大問題になっている時に、衆議院の農水委員会に日本共産党の議席がないということに、本当にもどかしい思いでいっぱいです。日本の農家に減反を強制しながら、外国から米を輸入するなんて、99年当時も今も許せません。日本共産党は、MA米の廃止なども盛り込んだ「日本農業再生プラン」を発表し、全国で懇談をすすめています。今度の総選挙では、なんとしても議席を増やしたい。


“輸入義務ない”政府も認めた

農水委で農水相 中林議員(時当)が鋭く追及

画像99年の衆院農水委員会での中林議員の質問ハイライト

(3月9日)

中林議員 政府は、MA米の100%輸入が義務だとずっと言ってきたが、それはWTO協定のどこに書かれているか。

 (外務省の官僚が必死に協定書をめくるが、MAの具体的な条文はどこにもない。議場は、ハチの巣をつついたようなパニック状態になり、審議中断)

食糧庁長官(外務省が答弁できないので代わりに答弁) WTO協定上の根拠ではなく、政府統一見解だ。

農水委員長 ちょっと待って。MA米の輸入が義務か義務でないのか外務省、きちんと答弁してください。

外務省経済局長 WTO協定の附属書のなかに最小限度のアクセス機会が必要だと書いてあるのを踏まえて、政府統一見解ができた。

中林議員 要するにそれはWTO協定の規定ではなく、日本政府が勝手に解釈して(全量輸入の)政府統一見解を出したにすぎない。WTO協定上は輸入の機会を与えればいいだけではないか。

(11月10日)

中林議員 WTO協定上、MA米を全量輸入しなければならない規定はどこに書いてあるか。

農水大臣 ないと、確かに。しかし政府統一見解を出し(て、MA米を全量輸入することにし)た。

(新聞「農民」2008.10.27付)
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