ひょう害に負けないぞ気落ちしたりんご農家励ます
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元気な笑顔の「ほほえみ産直部」のみなさん。後方は岩木山
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台風支援の連帯いまも生きる
「ほほえみ産直」は1989年、20人足らずでスタートしました。凍霜害や台風で傷ついたリンゴは加工用などにされ、20キロで200〜300円にしかならず、生産費が償えません。“良品”でなくてもおいしいリンゴを、なんとか消費者に食べてもらいたいとの思いでした。ところがその翌々年(1991年)、台風19号が津軽地方を直撃。出荷目前のリンゴが9割も落果する被害で、自殺者も出ました。農民組合は、農家を励まそうと、落果リンゴの産直に取り組みました。救援産直とはいえ、木から落ちたりんごを売るなどどこもやったことがありませんでしたが、農民連や労働組合などからの大きな支援を受け、12万ケース(10キロ換算)を出荷。産直の輪は全国に広がりました。
その後、「ほほえみ産直」の仲間も少しずつ増え、最近は年に1万5000ケースほどを出荷してきました。しかし、たびたびの降ひょうで多くの果実が傷ついた昨年は、新しい仲間が一度に14人加わり、出荷希望も大幅に増加。91年のような取り組みが必要になっています。
雪害で折れた木を見つめる高橋さん
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期待裏切らないリンゴをつくる
ほほえみ産直副部長の中沢義人さん(40)は、小山部長(49)らと二度にわたって上京。食健連に加わる労組などを回り、支援を訴えました。「春に霜にやられたときは『今年はダメか』とショックを受けたのですが、仲間の畑を見たらもっとひどい。落ち込んでいる場合ではないと思ってがんばりました」。
東京では多くの訪問先で「台風19号のときに大量に注文した実績がある。心配するな」と励まされたそうです。津軽に帰ってそのことを報告すると、シュンとしていた仲間も元気になったといいます。
中沢さんは、「期待を裏切らないおいしいリンゴを出荷したい」と気持ちを引き締めます。小山部長も「昨年は若い仲間をたくさん迎えることができたが、出荷先に困っている農家はもっといるはず。この困難を乗り越えることが、必ず農民組合を大きくする力にもなる」と、未来を見すえています。
ほほえみリンゴの注文は、津軽農民組合へ
TEL 0172(37)0141
農民連第18回定期大会のご案内
1月20日(火)午後1時30分〜22日(木)正午 *1日目の夜に「20周年記念レセプション」を開催 |