新聞「農民」
「農民」記事データベース20110516-972-04

東電本社前
抗議集会あいさつ


 現在未来失った損害補償をしろ

  福島県酪農協同組合・副組合長の阿部正一さん

 畜産農家を代表して3点要求します。1点目は、避難を余儀なくされた農家の損害賠償がどうなるのか、みんな心配しています。現時点はもちろん、将来にわたって失った損害もしっかり賠償してもらわなければなりません。2点目は、出荷制限による廃棄に対する損害賠償、慰謝料です。3点目は、放射能汚染による牧草の飼料制限、それに代わるエサ代がたいへんかかっています。福島県は畜産農家に対し、牧草の生産を自粛するよう通知を出しました。

 みなさん、一緒にがんばりましょう。

 地元で商売を続けられるのか

  全商連・運動政策局次長の今井誠さん

 中小業者も農民や漁民の皆さんと同じで、いまたいへんな苦難のなかにあります。あるシャツやカットソーの縫製工場では、「福島のものは受け取れない」と約800万円分も返品される事態も起こっています。損害賠償紛争審査会では、長年培ってきた商売や顧客などへの影響をきちんと補償するのか。「地元で商売を続けたい。地元だからこそ商売が続けられる」、これが中小業者の声です。

 農民に犠牲の押し付け許さぬ

  整理解雇されたJAL(日本航空)の乗員で航空労組連絡会・事務局次長の和波宏明さん

 農民連のみなさんから、お米などの農作物をたくさん送ってもらった。解雇されて収入を断たれた私たちがどれほど励まされたか。原発事故は地域と住民に犠牲を押し付ける行政のもとで起きているという点で、私たちJALの解雇と同じ問題です。住民に犠牲を押し付けるやりかたは許さない、この一点でみなさんと連帯を強めていきます。

 農家が生産物を売れないなんて

  みどり共同保育所(横浜市)の佐藤加代子さんと松本恵美子さん

 私たちの保育園では、赤ちゃんが生まれて始めて食べるおかゆは安全なお米で作りたいという願いで、山形・庄内の農民連と知り合い産直を続けてきました。農家が安全・安心な食べ物を供給できない、作っても売れない。こんな苦しいことがあるでしょうか。

 保育行政の危機と農村・農業の危機の根っこは一つです。ともに手を携えて損害賠償を勝ち取っていきましょう。

(新聞「農民」2011.5.16付)
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