新聞「農民」
「農民」記事データベース20110801-983-08

宮城・東松島市矢本

合同支援行動
農民連/日販連/民医連/災対連

最大規模の炊き出し

 7月16日、宮城災対連、宮城農民連、日販連(日本販売農協連合会)が主催し、これに山形・庄内産直センターと富山農民連、東京民医連が加わって、宮城県東松島市のグリーンタウン矢本にある仮設住宅で、最大規模の「炊き出し なんでも相談会」を行いました。


仮設住宅で1200人に
野菜・パイン・卵・肉・鶏加工品など数千点

 お昼の時間にあわせてテントを7つ張り、米や野菜などの食材と調理する鍋やガスボンベなどを持ち込み、準備ができあがると、仮設住宅に住んでいる方々にハンドマイクで「これから始めま〜す」と呼びかけました。事前に案内のチラシを配布していたこともあって、すぐに行列ができる盛況ぶりに、炊き出しスタッフは大忙し。

 日販連加盟の常盤村養鶏農協のスタッフは、石澤直士会長みずから大鍋で500食のモツ煮込みをつくり、700個の生卵を配布しました。庄内産直センターと横浜市から駆けつけた戸塚みどり保育園のスタッフは、「涼をとってもらおう」と庄内名産の冷たい“麦きり”にカキ氷を提供。石垣島のパイナップルでつくった冷凍パインバーは、日販連加盟の宮城加工連のみなさんが2日前につくったもの。ほかに、茨城・常陸野産直センターや供給センター長崎、群馬・あがつま農協の野菜、大分・下郷農協と宮崎・綾農協、茨城・やさと農協の豚肉、牛肉、鶏肉加工品などを配布しました。

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汗だくでモツ煮込みをつくる常盤村養鶏の石澤さん(左)

 また、東京民医連(病院食を作っている給食協同サービス)のみなさんも日販連が提供した産直野菜で具だくさんの中華丼を作りました。

 参加したスタッフは100人を超え、「栄養満点、ボリュームいっぱいだよ」「暑さに負けないよう食べて元気出してください」などと声をかけながら、30度を超す暑さのなか、汗だくになって炊き出ししました。

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子どもはカキ氷、お母さんは両手いっぱいに野菜や肉の袋

 仮設住宅に住む人たちは口々に「ありがとうございます。たいへん助かります」とお礼を述べ、両手いっぱい受け取っていきます。なかには、一人暮らしのお年寄りもいます。「家族の分も」と言って、モツ煮や中華丼の具を持参した鍋にもらっていく人や親子で自転車でかけつける人も。

 顔と顔が見える支援の輪ひろく

 日販連の新しい会長に就任した矢崎和廣さんは「日販連に加盟する各団体が、こうして一同に参加して支援を行ったのは初めてですが、今後もできうるかぎり支援を続けていきたい」と抱負を述べました。

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新しく日販連の会長になった矢崎さん(右端)も支援の先頭に

 また、宮城農民連の鈴木弥弘事務局長は「来てくれた方々は約1200人。これまでで最大の炊き出しになった。物を届けるだけでなく、顔と顔が見える炊き出しや相談会で、つながりや支援の輪が広がっている。この取り組みを生活再建、地域の復興に向けた運動につなげていきたい」と話しています。

(新聞「農民」2011.8.1付)
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