新聞「農民」
「農民」記事データベース20130805-1080-01

TPP交渉から即時撤退せよ

東京・新宿駅
熱のこもった抗議宣伝


官邸前アクション

 日本がTPP交渉に参加した7月23日、東京・新宿駅東口で、全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)と「STOP TPP!! 官邸前アクション実行委員会」が、TPP交渉参加に抗議する宣伝行動を行いました。雨に負けず、熱のこもったスピーチが相次ぎました。

 農民連の笹渡義夫事務局長が「国民世論を踏みにじり、公約を破ってTPP交渉に参加した安倍自民党内閣に、満身の怒りを込めて抗議する」と、力強くアピール。すかさず参加者から「そうだ!」というかけ声が飛びます。「安倍首相は、『自民党政府には交渉力がある』などと言っているが、あらゆる品目・分野で自由化しろ、規制を撤廃しろというのがTPP交渉ではないか。TPPによって生産する力をみすみす破壊してしまい、ますます食料を外国に依存する国にしていいのか。TPPは農家がたいへんなだけではない。食の安全でも、食料の安定供給からも、いちばんの被害者は都市の消費者ではないか」と訴えました。

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横断幕を掲げて訴える農民連の参加者

 日本弁護士連合会前会長で反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児さんもマイクを握りました。「TPPに反対する弁護士のネットワークの発足を準備している。TPPのなかのISD条項は、企業が国や自治体に賠償請求でき、しかもそれが国外の国際機関で裁かれるという。これは日本の司法権を無視することであり、日本の国家主権、国民主権の侵害だ」と訴え、大きな拍手が湧きました。

 「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」から醍醐聰・東京大学名誉教授が参加。参議院選挙で当選した自民党候補者がみな「重要品目を例外扱いできなければ、交渉撤退も辞さない」という公約を掲げたことに触れながら、「こうした公約を掲げた自民党議員や農水委員会の国会議員は、『例外扱い』がどうなっているのか、交渉の途上での情報公開を政府に求める責任がある。そもそも一国の主権にかかわる国際協定の交渉過程に、国会議員が参加・関与できないなどというなら、そういうTPP交渉は、わが国の議会制民主主義とは相いれない異常な交渉だ」と述べました。

 また市民NGOとして現地に行っているアジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子さんが、TPP交渉が行われているマレーシア・コタキナバルから電話中継でリポートし、TPP交渉は最終盤に差し掛かっており、日本政府は実質的には交渉相手にされていない厳しい交渉情勢を伝えました。

(新聞「農民」2013.8.5付)
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