新聞「農民」
「農民」記事データベース20140414-1113-06

地域から取り組む再生可能エネルギー

前進するドイツの実践から学ぶ


 一般社団法人JC総研と農林中金総合研究所は3月19日、都内でシンポジウム「地域から取り組む再生可能エネルギー―ドイツに学ぶ協同組合の役割―」を開きました。

 JC総研の萬歳章代表理事会長が開会あいさつ。「シンポジウムで学んだことを地域に持ち帰り、協同組合の発展につなげることを祈念します」と述べました。

分散型発電への転換が重要

持続性ある協同組合方式を

 またとないチャンス

 ドイツから2氏が実践報告。アグロクラフト社のミヒャエル・ディーステル専務理事が「『村による村のためのエネルギー』フリードリヒ・ヴィルヘルム・ライファイゼンエネルギー協同組合〜農村におけるドイツのエネルギーシステム転換の推進力〜」のテーマで基調講演しました。

 エネルギーシステムの転換について、「化石燃料・原子力から再生可能エネルギーへ、集中型発電から分散型発電への転換を図ること」だと語り、この転換は農村にとってまたとないチャンスだと述べました。

 村で開発される再生可能エネルギーの可能性は、バイオガス・バイオマス・地熱・太陽光・水力・風力など多様性をもち、自己決定した再生可能エネルギーを農村地域の住民が認識し、その利益が農村地域の持続可能な開発に用いられることになると指摘しました。

 こうした事業を進めるために、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ライファイゼンエネルギー協同組合を立ち上げ、その目標は「誰もが参加でき、民主的な企業構造をもち、いかなるタイプ、いかなる規模のプロジェクトにも適用が可能になる」と説明しました。

 会員の92%が個人

 ドイツ協同組合・ライファイゼン協会ディレクターのアンドレアス・ヴィーク博士は「ドイツにおけるエネルギー転換〜再生可能エネルギー協同組合の役割〜」について報告。

 ドイツでエネルギー協同組合の設立数が、2006年には8だったのが、13年には717に急増していることを示し、会員構成も個人が92%を占めている現状を紹介しました。

 再生可能エネルギー推進のために協同組合方式を選択した理由として、「民主的な意思決定」「連帯のしやすさ」「自己管理」などがあげられました。エネルギー協同組合のメリット(利点)として、合意形成や地域の価値の創出、メンバーのニーズへの対応、持続可能性があることが強調されました。

 地域独占を廃止して

 パネルディスカッションのなかで愛媛大学の村田武客員教授が、ドイツで再生可能エネルギーの取り組みが前進している理由として、「電力資本の地域独占を廃止したことだ」と述べました。

 さらに「福島の原発事故の直後にドイツのメルケル首相は9基の原子力発電所を2022年までにすべて止める決断をした。ドイツは福島からしっかり学んだ。しかし日本はどうか」と疑問を投げかけました。

(新聞「農民」2014.4.14付)
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