新聞「農民」
「農民」記事データベース20140526-1118-04

TPP 撤退以外に道はない

閣僚会合前に反対諸団体
終日行動を展開


 5月19、20の両日にシンガポールで開かれるTPP閣僚会合を目前に控えた14日、都内では終日、TPP合意に反対するさまざまな取り組みが行われました。

 座り込み中の農業青年激励
  国会前行動

 国会前では、前日の13日から全国農協青年組織協議会(JA全青協)の農業青年らが座り込みを決行しています。その横で昼から、国民大運動実行委員会が定例の国会前行動を実施。500人の参加者を前に、農民連の笹渡義夫事務局長が主催者あいさつで、TPP問題で譲歩に次ぐ譲歩を重ねる安倍内閣を批判し、「国会決議違反は明白。もはや国益を守ることなどできない。TPPからの撤退以外に道はない」と訴え、座り込みのJA全青協を激励しました。

 また、集団的自衛権、消費税増税などの暴走政治を包囲するさらに大きなたたかいを呼びかけました。

 国会決議の実現緊急国民集会
  JA全中

 午後2時半からは、日比谷野外音楽堂で、全国農業協同組合中央会(JA全中)などが主催する「TPP交渉における国会決議の実現と情報開示を求める緊急国民集会」が開かれ、会場いっぱいの3000人以上が全国から詰めかけました。

 萬歳章・JA全中会長が「政府は重要5品目が守れなければ撤退も辞さないとする国会決議に沿った対応を。決議の実現まで連携して全力でがんばる」とあいさつしました。

 連帯あいさつのなかで、高知県四万十市の中平正宏市長は、「農業や第一次産業を守ることが日本を守ることになる」と語り、主婦連合会の佐野真理子事務局長は、「TPPはあらゆるものの規制緩和を進め、消費者運動がこれまで積み重ねてきた成果を奪うもの」だと批判しました。

 最後に、特別決議を採択。国会までデモ行進をしました。

 自民党支持者もマイク握り訴え
  官邸前行動

画像  TPP交渉は「基本合意済み」などの報道も一部新聞で出るなど緊迫した情勢の中、STOP TPP!! 官邸前アクションが5月13日、東京・首相官邸前で行われ、約150人が参加しました。農民連からは齋藤敏之常任委員が訴えました。

 今回は自民党支持者もマイクを握り「私たちはTPPを進めてほしくて自民党に投票したわけじゃない。日本の文化と伝統を壊すTPPは断固反対だ」と訴えました。

 13日から国会前で座り込み中の全国農協青年組織協議会会長の山下秀俊さん、副会長の益子丈弘さんもそろって参加し、「いったい誰のおかげで国会議員バッジを着けているのか、議員のみなさんはよく考えてほしい」と怒りをぶつけました。

 緊急宣伝行動に農民連役員訴え
  食健連

 午後5時からは、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)が新宿駅西口で、緊急宣伝行動に取り組みました。農民連は本部のほか、群馬、埼玉、千葉、山梨、岡山から駆けつけて参加。宣伝カーから、坪井貞夫常任委員(岡山)、埼玉県農民連の立石昌義会長、千葉県農民連の大木傳一郎会長が訴えました。

 たまたま通りがかったという男性は、弁士の演説に耳を傾けながら「輸入品は国民が食べてはいけないものばかり。かんぴょうなどは高い関税で守られており、農業を守るためにも必要。いったい日本はアメリカの何番目の州なのか?」と、TPPに前のめりな安倍内閣を批判していました。

(新聞「農民」2014.5.26付)
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