新聞「農民」
「農民」記事データベース20160808-1225-01

農民連食品分析センター
新検査機器導入募金

全国からカンパと期待の声

 農民連食品分析センターの新検査機器(遺伝子組み換え、残留農薬)導入募金に対して、全国のみなさんから多額の募金が寄せられています。今回、募金活動を旺盛に進めている、長野県教職員組合と新日本婦人の会東京都本部の取り組みと分析センターへの期待の声を紹介します。


TPPで輸入品の安全性心配
給食に地元食材使い続けたい

長野県教組

 長野県教職員組合では、分析センターの機能強化カンパに取り組んでいます。長野県教組の高木義隆さん(教材部長)に話を聞きました。

 「2015年の3月に行った食糧と健康を守る長野県各界連絡会(長野県食健連)の学習会で、食品分析センターの八田純人所長に講演をお願いしました。講演で今まで分析センターが果たしてきた役割などを聞き、信頼できる機関であり、重要な仕事を担ってきたことを知りました」と話します。

 「TPPが強引に進められる中、海外から入ってくる食品の安全性は心配です。税関での通関時間が48時間に短縮され、今でも不十分な輸入食品の検査が形骸化してしまう恐れがあり、分析センターの検査能力の充実が必要だ」とカンパについて執行委員会で議論。多額のカンパが集まりました。

画像
残留農薬を特集する紙面を見ながら懇談(右から高木さん、松本隆県教組執行委員長、宮沢国夫長野県農民連事務局長)

 長野県教組では1974年に栄養職員が県費で賄われるようになってから、学校給食は輸入食材を使わず、地産地消を進めようという方針を据えて、力を入れて取り組んでいます。「農業県でもあり、給食は食育の基本と考えて、JAの協力もあって、給食センター化されている学校を含めて地産地消の取り組みを進めてきました」と語ります。

 こうした取り組みを進めている中、栄養教職員部の組合員が県教組の定期大会で「地域の食材を使おうとがんばっているのに、TPPで地域農業自体が壊滅すれば、安心、安全な地元農産物が得られなくなってしまう」と発言するなど、危惧の声が高まり、自分たちで食品の安全性を調べる機関として、分析センターへの期待が高まっています。

 高木さんは食品分析センターに対し「新しい分析機器の導入で輸入食品の危険性がリアルにわかるようになると思います。知らないと運動はできないので、新しい情報を広く発信してほしい」という期待を寄せていました。


農薬漬けの輸入食品は不安
産直には「安全」検査が必要

新婦人板橋(東京)

 「だって農民連の食品分析センターは『私たちの分析センター』だもの。産直運動の命は『安全・安心』。食の安全を願う人みんなの力で設立した食の安全を守る運動の要です」――農民連食品分析センターへの期待をこう話すのは、新日本婦人の会板橋支部事務局長の石松志保子さんと、事務局次長の小田川千枝子さんです。

画像
小田川さん(左)と石松さん

 板橋新婦人では、分析センターの新機器導入募金が始まって以降、区内に32ある班すべてに協力を呼びかけたほか、産直ボックスにチラシを入れたり、集まりごとにカンパを集めたりして、粘り強く取り組んでいます。

 じつは分析センターは、ここ東京・板橋区にあります。設立時の所在地だった成増も板橋区内。「分析センターとは、設立時からのおつきあい。前所長の石黒昌孝さんにも、現所長の八田純人さんにも、本当によく私たちの学習会に来ていただいていて、分析センターはとても身近な存在」と石松さん。

 そのつながりの真価が問われたのが、福島原発事故でした。板橋新婦人の産直ボックスの産地は、茨城県阿見市。阿見市はホットスポットになっているとの報道もあり、会員から心配する声が上がるなかで、放射能分析機器導入の募金が訴えられました。

 「そうだ。私たちには分析センターがあるじゃない」と、カンパにも協力し、機器が導入されてからは阿見の土壌を分析したり、八田所長を講師に学習を重ねて、不安の声に応えてきました。「20年以上の産直運動の積み重ねと、分析センターでの検査があったからこそ、それほどボックス数も減らずに、乗り越えることができました」と、石松さん。

 とはいえ、産直ボックスも課題はあります。「昔からの会員も高齢化するなかで、一箱を使い切るのはなかなかたいへんで、若い人にボックスがいま一つ広がらないのが今の悩み。でもそんなときでも『やっぱり産直を』と胸を張って勧められるのは、産直ボックスが安全・安心なものを食べたいという消費者の願いに応えているから。それを証明してくれているのが、分析センターでの検査なのです。これほどの説得力はありません」と、小田川さんは力説します。

 そんな2人がいま心配しているのが、TPPです。「輸入食品は長く輸送するための農薬がかけられていたり、遺伝子組み換えだったりして、知れば知るほど心配です。TPPが実施されれば、もっと農薬漬けのものを食べさせられるのでは」と小田川さん。「今回の新機器導入も、ぜひ実現してほしい」と、熱意をこめて話してくれました。


 TPPに対抗し、食の安全と国民の健康、日本の農業を守るためにも、さらなる募金へのご協力をお願いいたします。

 郵便払込口座
 口座番号 00160―6―773542
 加入者名 農民運動全国連合会分析センター
 他の金融機関から振り込む場合
 ゆうちょ銀行
 〇一九(ゼロイチキュウ)店
 当座 0773542

(新聞「農民」2016.8.8付)