新聞「農民」
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劇団「青年劇場」が「郡上の立百姓」上演

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  /「立」と「寝」双方が力を合わせTPP断固反対に全力を

 劇団「青年劇場」はこの秋、第115回公演として、郡上一揆を描いた「郡上の立百姓」を上演します。農民連の白石淳一会長と、主人公で一揆の若き指導者、定次郎を演じる青年劇場の清原達之さんとが対談しました。


〈あらすじ〉

 宝暦4年(1754年)、美濃(みのの)国(くに)郡上郡(ぐじょうごおり)130カ村の百姓たちが立ち上がった。年貢徴収法が改定され、より重い増税となってのしかかってきたのだ。

 百姓たちの激しい抵抗に、郡上藩はいったん願いを聞き入れるが、1年後、庄屋衆の切り崩しから反撃と弾圧を始める。若き指導者・定次郎らは百姓たちをまとめ組織的なたたかいへと発展させてゆくが、次第に郡上内は藩に従う「寝百姓」と、あくまで抵抗を続ける「立百姓」に分裂、せめぎ合いは苛烈を極めていく…。


対談

農民連の白石淳一会長
青年劇場の清原達之さん

 「農民コミューン」

 白石 いま安倍・自民党農政は、TPPをはじめ、農協つぶし、低米価の押しつけなど、農業への攻撃を強め、離農する人も増えているのが現状です。今回上演される「郡上の立百姓」ですが、原作者の、こばやしひろしさんの文章を読んでいると、「農民コミューン」という言葉が目にとまりました。農民が生活や地域そのものを自分たちで担うことを意味するコミューンを取り上げることに大いに注目しています。

 清原 組織をつくって一揆をやるというのは、郡上一揆以前にもありましたが、自ら農民の組織をつくり、5年間の長きにわたって、農民自身がともに考え、学びながらたたかいを発展させていったことを知り、大変驚いています。

画像
清原さん(左)と白石会長

 皆から英雄視され

 白石 北海道でも戦前、現代の農民運動につながる、小作争議が各地でありました。その地に不在でも支配者として君臨する不在地主に対して、農民が自分たちの生活の場で組織をつくりながら、支配者とたたかっていくものです。郡上一揆はまさのその先駆け的なたたかいですね。清原さんが主人公の定次郎を演じる上で、大事にしていることは何ですか。

 清原 定次郎は死ぬとわかっていながら江戸幕府へ直訴して獄門にされ、皆から英雄視されますが、これはテロリストが殉死者として名誉を得ることとは違います。テロリストはどう死ぬかが問題なのだと思いますが、定次郎は「どう生きるか」を模索し続けた。だからこそ「死」への葛藤があったと思うのです。その迷いや揺れ動く心情を大切に演じたいですね。

農民が自ら組織つくり
5年間たたかう―感動

 魅力的なドラマ

 白石 郡上一揆は、史実を基にしていますが、芝居としての「郡上の立百姓」の見どころは?

 清原 基となった史実「郡上一揆」は、とても多くの資料が存在しています。この一揆の全貌を知るには当時の政治や経済状況など、膨大な資料を読まなければなりません。この舞台では、主人公の定次郎やその家族を中心にしながら、他の登場人物も生き生きと描かれ、魅力的な人間ドラマとなっています。歴史がグッと現代に引きつけられ、そこから問いかけられる様々な問題が、今を生きる私たちの心に響くのではと思います。

 白石 最後に新聞「農民」読者にメッセージをお願いします。

今の運動と共通点多い
当時の郡上農民一揆

 支配層と対立して

 清原 今回の物語は年貢の徴収法をめぐって、百姓と支配層との対立から始まり、その中で百姓同士の対立も生まれていきます。強いものが弱いものを叩き、叩かれた弱きものは更に弱いものを叩く。そして叩かれた者同士も対立していく……。あるいは対立させられているのかもしれません。どこか今の時代と似ていないでしょうか?「郡上の立百姓」はわれわれの物語であり、皆さんの物語でもあります。

 白石 当時の農民のたたかいといまの運動とは多くの点で共通しています。多くの農民連会員や新聞「農民」読者の方に見ていただきたいですね。


公演日程

 ・9月17日(土)〜25日(日)
 紀伊國屋ホール(東京都新宿区)
 ※JR線・小田急線・京王線・地下鉄丸ノ内線新宿東口から徒歩5分、地下鉄丸ノ内線・副都心線・都営新宿線新宿三丁目駅B7・B8出口
 ・27日(火)
 神奈川県立青少年センター(横浜市西区)
 ※JR根岸線桜木町駅下車、「北改札」(西口)から徒歩約8分、横浜市営地下鉄線桜木町駅下車、徒歩約10分、京浜急行線日ノ出町駅下車、徒歩約13分、みなとみらい線みなとみらい駅下車、徒歩約20分
 ・28日(水)
 府中の森芸術劇場ふるさとホール(東京都府中市)
 ※京王線東府中駅北口下車徒歩7分、JR中央線武蔵小金井駅下車南口(5番乗り場)からバス約20分、徒歩約7分、南口(1番乗り場)からバス約20分、徒歩約10分
 チケットの申し込み
 一般=(前売り) 5150円(当日)5500円
 30歳以下=(前売り) 3100円(当日)3400円
 中高生シート=1000円(各ステージ限定10席・電話受け付け・前売りのみ)
 ※料金はすべて消費税8%込み
 全席指定席、団体割引・障害者割引あり、農民連会員、新聞「農民」読者は4650円(劇団のみ受け付け)
 申し込み先
 青年劇場チケットサービス TEL 03(3352)7200、Eメール ticket@seinengekijo.co.jp

(新聞「農民」2016.8.29付)