新聞「農民」
「農民」記事データベース20161226-1244-08

農民連第22回定期大会決議(案)

安倍暴走政治とTPP農政ストップ
農業と農村の復権へ、生産、共同、
仲間づくりを広げよう!
(4/10)

2016年12月15日
農民運動全国連合会常任委員会

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   (4)准組合員規制
 准組合員規制問題は、地域を支える公共的役割を果たしている農協の死命を制する問題であり、地域と農協の存続にかかわる大問題です。「最初の要求」は「准組合員の利用規制の検討加速」を求め、「最終」では消えた形になっていますが、もともと「改正」農協法で5年間の検討期間がもうけられており、再浮上することは必至です。

   (5)「第2全農」作りの脅し
 「最初の要求」は、実現不可能な「改革」を押しつけ、全農が実現できなければ、国に「第2全農」を作れとまで求めていました。「最終」では、この表現は消えてなくなりましたが、協同組合の分裂・別組織作りを公然と要求すること自体が大問題です。

   (6)首相官邸・規制改革推進会議の暴走
 農協解体攻撃を通じて目立つのは、首相官邸が農業の実態を何も知らない新自由主義的な経営者や御用学者を規制改革推進会議などの委員に任命し、首相官邸・自民党幹部・推進会議が結託して“机上の暴論”のような提言を出させて、脅しで目標を勝ち取るというやり方、そして、与党の「活躍」で押し返したという体裁をとりつくろって暴政に対する反発をやわらげるという手法が頂点に達していることです。

 菅官房長官が小泉自民党農林部会長に「最初から『1年以内』なんて入れる気はなかったんだろ」と言い、小泉氏は「名を捨てて実をとりました」と答えたという報道は、その象徴です(「日経」12月1日)。

 (2)価格保障制度解体を狙う「米政策見直し」

 アベノミクス農政は、生乳指定団体制度の突き崩し、生産調整・戸別所得補償廃止、岩盤のない収入保険制度導入によって、価格保障制度の最終的な解体を狙っています。

   (1)生乳指定団体制度への攻撃
 生乳指定団体制度は、唯一残っているといってよい価格保障(加工原料乳不足払い)と不可分の制度です。これに対する攻撃は、価格保障制度の抹殺を狙うものです。

   (2)「米政策の見直し」の主眼は戸別所得補償の廃止
 2018年からの「米政策の見直し」の主眼は、戸別所得補償の廃止にあります。民主党政権から始まった戸別所得補償、とくに「変動支払い」は価格暴落時に生産費の80%を補てんするもので、不十分ながらも事実上の不足払い制度でした。

 自民党は政権復帰後、これを即刻廃止し、10アール1万5000円の固定払いを半減して18年に廃止することにしています。その代わりは「ナラシ」対策ですが、戸別所得補償とは雲泥の差です。

   (3)岩盤を崩す日本と岩盤を強化するアメリカ
 安倍政権は、価格保障・戸別所得補償という「岩盤」を突き崩したうえで、アメリカにならって収入保険制度を導入するとしています。これは、(ア)生産費を基準にせず、保証水準が市場価格の下落につれて下がる、(イ)対象は42万戸、2割弱の青色申告者だけ、(ウ)高い掛け金を農家に負担させる、(エ)農業共済と統合することによって、災害補償が危うくなるなど、農業経営の改善には全く役に立たないシロモノです。

 一方、アメリカは2014年農業法で不足払い+ナラシ+収入保険の3層構造を確立し、岩盤対策を強化しています。

 その特徴は、(ア)生産費を基準にした不足払いを土台に置き、しかも基準価格を30〜40%引き上げている、(イ)全生産者が対象、(ウ)不足払い・ナラシには農民負担はない、(エ)こういう岩盤の上に農家が収入保険を選択するなど、安倍政権のやり方とは天と地ほど違います。

 (3)農地制度解体を狙う執拗な攻撃

   (1)8割の農家を追い出す構造改革目標
 安倍政権の「日本再興戦略2016」は、2023年までに(ア)全農地面積の8割を担い手に集約する、(イ)法人経営体数を4倍の5万法人に増やす、(ウ)担い手の米生産コストを4割削減するという構造改革目標を掲げ、目標達成のために農地制度の改悪、国家戦略特区の活用、外国人農業労働者の解禁などの政策を推進しています。

 そのため安倍政権は、(ア)農業生産法人(農地所有適格法人)への農外者の出資要件を4分の1未満から2分の1未満に緩和し、(イ)法人役員は「1人以上」が農作業に従事すればよいことにする改定農地法を4月から施行したのに続いて、さらなる改悪を狙っています。

 アベノミクス農政の合言葉は「攻めの農業」「農業の産業化」ですが、その実態は、戦後農地改革で生まれた家族経営を「攻め」滅ぼし、条件のよい土地で「企業農業化」を進め、農地の多くは荒廃しても、食料はTPPで外国から輸入すればいいという政策です。

   (2)とくに財界から、タガがはずれた執拗(しつよう)な提言
 経済同友会は(ア)家族経営・協同組合中心の体制から、法人・企業中心の体制に転換をはかる、(イ)家族経営の後継者からは「農業経営者」は生まれない、(ウ)「農業経営者」が農作業に“忙殺”されないようにするために、外国人農業労働者とロボットを増やせと要求しています。経団連は、企業の農地取得を公然と要求しています。

 国連は家族農業経営こそが世界の農業の主流であることを宣言しています。しかし、日本の財界は家族経営をさげすみ、額に汗して農作業をしない「経営者」中心の農業、企業農業に転換させることを公然と要求するにいたっています。異常な政権のもとで、財界の異常もまた極まっているといわなければなりません。

   (3)国家戦略特区を使って「企業農業化」への転換を促進
 安倍政権は、「残された岩盤規制」を改革する突破口として、国家戦略特区を使って「企業農業化」への転換を促進しています。当面は(ア)特区で農外企業の農地取得を解禁し、(イ)「喫緊の課題」として外国人農業労働者の就労を解禁して、全国に波及させることを狙っています。

 (4)アベノミクス農政とのたたかい

   (1)アベノミクス農政の未来図は
 アベノミクス農政が描く未来図は、内外の大企業が農地と農業を支配し、大企業の従業員と「農業経営者」が農場監督を務めて、構造改革によって追い出された元農民と外国人農業労働者、ロボットを使って農業を営むものになるといっても過言ではありません。

 しかも、日本で生産されるのは世界と日本の“金持ち”向けの「安全でおいしい」農産物で、大多数の日本人は「不安でまずい」輸入農産物を食えという構図になることも必至です。

 私たちは、こういう未来を拒否し、農民懇結成以来、三十数年の歴史で培ってきた「安全で安心な食料は日本の大地から」の運動を発展させ、アベノミクス農政の打破のためにたたかいます。

   (2)「戸別所得補償制度」の復活など、価格保障を求める運動
 アベノミクス農政に対置した「農業者戸別所得補償制度」の復活を求める運動と署名を進めます。戸別所得補償制度の復活は野党4党と農民の共通の要求であり、畜産経営安定対策(マルキン)の法制化は、野党4党が既に共同提案しています。価格保障の復活・確立を国民と野党の共同を進め、総選挙での野党共闘の足掛かりにすることを呼びかけます。

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署名を訴える、いわて食農ネット=4月16日

   (3)農協解体に反対する7団体ネットワークの復活と地域での共同
 農民連、全農協労連、全労連などが呼びかけた農協改革押しつけに反対するネットワークを復活させるとともに、地域の農協、自治体、商工会、生協、消費者、地域住民など、地域ぐるみの共同を発展させて、安倍政権の農協解体攻撃をはね返します。

 民進党の大串政調会長は「政権交代によって流れを根本から変えなければ、日本の農業と地方はさらに衰退し、協同組合はいずれ存在できなくなる」と危機感を表明しています。農協解体に反対するたたかいも、野党共闘の足掛かりになりうるでしょう。

(新聞「農民」2016.12.26付)