新聞「農民」
「農民」記事データベース20161226-1244-11

農民連第22回定期大会決議(案)

安倍暴走政治とTPP農政ストップ
農業と農村の復権へ、生産、共同、
仲間づくりを広げよう!
(7/10)

2016年12月15日
農民運動全国連合会常任委員会

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3 都市農業、中山間地を守る運動

 (1)都市農業基本法を活用し2022年問題の議論を進めよう

 都市農業は、重い土地税制に加え、規模拡大を推進する安倍農政のもとで、農業経営が成り立たない状況が広がっています。こうしたなか、都市の農地を「開発すべきもの」から「都市と緑の共生」へと位置づけを変えた「都市農業基本法」に基づいて、自治体の基本計画作りも進んでいます。

 一方、三大都市圏の約1万3000ヘクタールのうち80%が2022年に生産緑地の指定から30年経過するため、大手不動産業者が開発目的で地主への働きかけを強めています。これに対抗するうえで、基本法が位置づける都市農業の多様な役割を果たしうる抜本的な政策を確立することが必要です。都市農地を守り、農と緑が共存できる都市づくりをめざすとりくみを強めましょう。

 (2)中山間地を守る運動

 アベノミクス農政改革は、中山間地にますます困難を押し付け、人も住めない農山村を加速させるものです。中山間地の直接支払い制度を充実させるとともに、住民の要求にもとづいた持続可能な農山村にするための支援策を政府や自治体に要求します。鳥獣による農作物被害対策に対する十分な予算の確保と、国と地方自治体、住民が連携したとりくみへの支援の強化を要求します。

 地域の農民連が住民と力をあわせて集落営農組織の運営の中心になるとりくみを進めましょう。

4 震災・台風・大雨被害の救援・復興の運動

 11年3月11日の東日本大震災から6年近く経過した今も、多くの被災者が仮設住宅での生活を余儀なくされ、住宅、雇用、生業など、復興の途上にあります。福島原発事故は収束のめどが立たず、重大事故が後を絶ちません。

 前大会後、15年9月の集中豪雨による茨城県常総市での水害、16年4月の熊本大地震、北海道、岩手県などでの台風・長雨被害など、全国各地で災害が頻発しました。

 農民連は、重大災害の都度、当該県連や労組・市民団体と連携し、全国から食料や生活物資、救援募金を届けるなど、被災者救援に全力をあげてきました。被災地での献身的な活動では“農民や住民の苦難あるところに農民連あり”という農民連の役割を浮き彫りにし、被災者や関係者から喜ばれ信頼を大きく広げました。

 また、被災者の要求を集約して農水省や復興省と粘り強く交渉し、被災者の立場に立った避難所の改善、住宅の建て替えに対する直接助成を現行の300万円から500万円への引き上げ、一部損傷家屋や農業施設の解体・復旧費用の助成拡大などに力を尽くしてきました。常総市の被害では、収穫後の米被害に対して「農業再建緊急対策」(10アール当たり最高7万円交付)や、農機具の修理・買い換え費用の6割補助などを勝ちとっています。

 どの地域でも被災地になる危険性があります。農民連はこれまでの教訓を踏まえ、農民らしい被災者救援・復興運動に全力をあげます。同時に、政府が憲法の立場に立って対策を抜本的に強化することを要求します。

 16年参院選で4野党が被災者生活再建支援制度の限度額引き上げを共通政策で打ち出したことは重要な前進です。引き続き「全国災対連」と連携して政府交渉や署名運動などに力を尽くします。

5 農家の暮らしと農山漁村を守る多様な要求運動

 (1)自主計算・自主申告運動の前進を

 消費税率10%への引き上げが2019年10月に再延期され、「軽減税率」導入とそれにともなうインボイス(適格請求書)の義務付けも延期されました。「軽減税率」は、飲食料品の税率据え置きにすぎず、まったくのごまかしです。課税事業者にインボイスの発行が義務付けられると多大な事務負担と混乱が予測されます。消費税増税と軽減税率・インボイス方式の導入は、延期ではなく中止に追い込みましょう。

 直売や産直を手がける農家への税務調査や直売所へのいっせい調査、税務署が税務調査の事前通知義務を怠り、税務署に呼び出すなどの違法な調査が後を絶ちません。組織的な対応ではねかえしましょう。

 農家にとって重い税金が国保税です。所得が住民税の非課税限度額を下回ると国保税、介護利用料や医療費など各種公的負担が軽くなるため、年間数十万円もの違いになることがあります。正しい記帳と申告は、くらし全般に影響することを広く知らせましょう。農民連の「税金対策の手引き」と「記帳簿」を使って、多様な要求で結びつきのある農家に働きかけて会員に迎え入れましょう。「春の大運動」を大きく前進させ、「3・13重税反対全国統一行動」を成功させましょう。

 (2)マイナンバー制度の廃止を

 2016(平成28)年分から確定申告書などに個人番号(マイナンバー)を記載する欄が設けられますが、個人番号が記載されていなくても申告書類等は受理されますし、国税上の不利益はありません。

 集団申告では、個人番号を記載するとかえって混乱や不都合が予想されます。税務署と事前によく確認して、会員にも徹底し、スムーズに申告できるようにしましょう。無用の事務負担を増やし、漏えいによる多大な危険を生み出すマイナンバー制度の廃止を求めます。

 (3)くらしを守る相談会運動

 農家は、営農や暮らし、雇用、高すぎて払えない国保税と保険証の取り上げ問題など、さまざまな問題を抱え、気軽に相談できる窓口を求めています。こうした要求に応えるために、税金だけでなく、社会保障、農業労災、原発損害賠償請求、生産や販売、準産直など、多様な要求を掲げ、弁護士や労働組合、市民団体、地方議員などと協力して、地域できめ細かく「相談会」を開き、農民連の存在と要求運動を大量宣伝で広く知らせ、結びつきをいかして仲間を増やしましょう。

 (4)免税軽油制度の恒久化を

 運動で継続させた免税軽油制度は、2019年で免税の延長期限が切れます。活用を広げるとともに、継続延長を勝ち取り恒常的制度にするための運動を強めましょう。

 (5)畜産を守る運動

 飼料や燃油価格の高騰を吸収できない畜産物価格と、日豪EPA(経済連携協定)やTPPが畜産農民に先行き不安をもたらし、離農が加速する事態となっています。特に酪農家の離農は著しいものがあります。

 再生産が可能な畜産物価格の実現、国内産飼料生産への支援、BSE全頭検査の復活、家畜伝染病の予防や病気発生後の経営対策などの抜本的強化を要求して運動を進めます。

 (6)漁業や林業など、農山漁村を守る運動

 震災や原発事故で被災した漁民の要求実現、魚価の価格保障の実現、漁民の暮らしと経営を守る運動を進めます。農民連は漁民の自主的な全国組織の結成を全面的に支援します。地域で漁民の要求に耳を傾け、連帯して要求を実現する運動に力を尽くしましょう。

 林業の再生は中山間地の活性化、雇用と地域経済の再生、温暖化対策からも重要です。建材への国内産材使用やバイオマスのとりくみなど、林業を再生するとりくみを進めましょう。

6 食品分析センターの機能をいかした食の安全を守る運動

 (1)食品分析センターの果たしてきた役割

 WTO協定から食の安全と国内農業を守る砦として1996年に発足した農民連食品分析センターは20年を経過しました。中国産冷凍ほうれん草からの農薬検出は、政府に冷凍食品に農薬残留基準を設定させ、国内外で使用される農薬の残留基準をカバーするポジティブリストを作らせる契機となりました。また、輸入ナタネの自生調査による「遺伝子汚染」の実態告発と対策を求める運動は、多くの人々から共感され、国際的にも注目されました。

 東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染は、福島県はもとより関西地方のしいたけ生産者にまで広がりました。食品分析センターは、国内外の多くの人々の協力で、放射能の分析機器を導入し、科学的数値を賠償運動にいかし大きな成果を勝ち取ってきました。

(新聞「農民」2016.12.26付)