新聞「農民」
「農民」記事データベース20170403-1257-04

「TPP後を考える」

全国共同行動がシンポ開く


 TPP阻止国民会議、フォーラム平和・人権・環境、STOP TPP!!市民アクションの3団体が事務局を務める「TPPを発効させない!全国共同行動」は3月15日、衆議院第一議員会館で「TPP後の日米通商交渉、安倍政権の経済政策を考える」を開きました。

 TPP以上の譲歩を日本に

 3人が基調報告を行い、オールジャパン平和と共生運営委員の植草一秀さんが「日米通商交渉の行方」のテーマで報告。アメリカ大統領選でトランプ氏が勝利したのは、TPP離脱を明確に宣言し、反グローバリズム、国内の生産増大を公約に掲げたことにあると指摘しました。

 今後の2国間交渉も、日米FTA(自由貿易協定)を強引に推し進め、「トランプ大統領がTPP以上の譲歩を日本に迫るのは必至だ」とし、さらなる警戒を呼びかけました。

 種子法の廃止で大手企業参入も

 山田正彦・元農水大臣は主要農作物種子法(種子法)廃止の問題点について、米・麦・大豆等の主要作物の種子を都道府県が管理してきたことを紹介した上で、「国の管理がなくなればモンサント社などが参入し、種子の原種が外資の大手種子会社に譲渡される。さらに恐ろしいことに、いま試験的に栽培されている遺伝子組み換えの米が実用化され、いつでも作付けされるおそれがある」と警鐘を鳴らしました。

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報告する(右から)植草、山田、椿本の各氏

 水道の民営化は財源難からだが

 フリーライターで元大和総研主席研究員の椿本祐弘さんは、「水道の民営化の危うさ」と題して報告。安倍政権が、施設の所有権を公共機関に残したまま、運営を民間会社にまかせる「公共施設等運営権制度」(コンセッション)を導入し、水道事業の民営化をねらっていることを告発しました。

 アメリカ・アトランタ市では1998年に水道事業を市営から民間会社に委託したものの、2003年に再び市営に戻したことを紹介。その理由は、「配水管損傷による配水の乱れ、泥水の地上への噴出、それらへの対応の遅れが続出したことだ」と述べました。

 パリ市でも再公営化したとし、「世界で民営化を進めた要因は財政難、結果的に民営化で大きな代償を払うことになった」と述べました。

(新聞「農民」2017.4.3付)
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