新聞「農民」
「農民」記事データベース20170612-1266-02

全国食健連第28回総会

食・農、地域を守る
草の根の共同運動を


 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は5月27、28の両日、東京・浅草で総会を開き、20都道府県、14団体から57人が参加しました。

 日本共産党の紙智子参院議員が国会報告をかねてあいさつしました。紙議員は、共謀罪は民主主義を根底から破壊する法案だと批判。農業改革8法案についても、「与党議員にも反対の声があるのに、いまの国会審議は本当におかしい。しかし視点を広げれば、保守の人にも、農業の現場にも、安倍政権への強い怒りが広がっている。全国食健連ともぜひ共同を強めて、政治を変えていこう」と訴えました。

 坂口正明事務局長が、議案を提案。坂口さんは、「安倍政権の軍国主義的な動きがいよいよ危険な局面に入ってきた一方で、水や食、農業、医療などこれまでは一定の規制が行われてきた分野まで規制緩和が推し進められている」と指摘。

 同時に昨年の参院選では農村部を中心に11の区で野党共闘の候補が当選したことに触れ、「こうしたせめぎあいの情勢をつくりだす上で、食健連をはじめTPP反対の幅広い共同運動が果たしてきた役割に確信をもって、さらに前進しよう」と呼びかけました。

 活発な地域活動

 討論では、各地から活発な活動報告が相次ぎました。

 新潟県農民連の鈴木亮事務局長は、市民と野党の共同の力で原発再稼働反対をかかげた米山隆一さんが知事に就任したと発言。県民共闘会議でのTPP反対の運動を報告しました。「県の農政連が自民党候補を推すなどの動きはあるが、農協幹部と懇談してみるとTPPや自民党の農政改革への反発はものすごく強い。こうした流れのなかで、60数年ぶりの全会一致で、戸別所得補償のモデル事業が採択された」と発言。「米山知事を支えるためにも、今年は農家アンケートに取り組み、農家の要求をくみ取っていきたい」と述べました。

 新日本婦人の会京都府本部の澤田季恵さんは、「全国でワースト2」という実施率の京都府内の中学校給食について報告。「署名など地道な運動の積み重ねの結果、ここ2〜3年の間に八幡市や長岡京市など、実施される自治体が増えている」と発言しました。このほか、県内の漁協と結びついた魚産直、太陽光パネルへの出資と果物産直を結びつけた「私のでんき」の取り組み、大盛況だった「種子法の学習会」など、多彩な取り組みを紹介し、そのエネルギッシュな発言に、会場から大きな拍手がわきました。

 愛媛食健連の村田武会長は、昨年に引き続いての県食健連の共同作業でのミカンづくりや、昨年からはソーラーシェアリングの設置をめざしてサツマイモを栽培し、地元の酒造メーカーに委託して焼酎にしたことなどをいきいきと報告。そのうえで「地域での食健連運動の担い手をどうつくっていくかが課題」と投げかけました。

 千葉県の大木傳一郎さんは、県内農業の衰退を直視しつつ、「農業を守るには、一刻も早い安倍政権の退陣が求められている」と強調。「食健連としても野党と市民が協力する市民連合の運動を位置づけ、取り組んでいこう」と呼びかけました。

(新聞「農民」2017.6.12付)
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