新聞「農民」
「農民」記事データベース20170703-1269-11

旬の味


 これまで福島県南相馬市の仮設住宅で交流を続けてきた方々と今回は小高駅前の復興住宅で食事会を開きました。復興住宅に移った方の協力で事前にチラシを配布し当日を迎えました▼行くたびに震災時の苦しみ悲しみを話してくれた人たちが仮設住宅を離れて今どのような暮らしをしているのかと不安でしたが、久しぶりにお会いできてホッとしました▼交流は料理を作るところから始まります。いろいろ道具を持ち寄り、にわか調理場での料理作りです。今回は「江戸料理」を皆で作り松花堂弁当箱に盛ると、見た目に鮮やかな弁当ができました。小高の人と協力して作った料理を食べると心もおなかも満ち足り、日々の暮らしの話や深刻な話も出しあうひと時を過ごしました▼どのような形で交流会をすれば喜んでもらえるのかを模索しながら、今回も無事に終わりました。「私たちはフクシマを忘れていないよ」というメッセージがこの料理を食べてもらうことで届いただろうか? 再会を楽しみにして別れました。

(澄)

(新聞「農民」2017.7.3付)
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