新聞「農民」
「農民」記事データベース20170717-1271-08

田んぼアート
やってよかった

生産者も消費者も笑顔いっぱい


福岡 若宮農民組合が挑戦
田植えからドラマ始まる

 梅雨ど真ん中の6月25、26日の2日間、福岡県宮若市の若宮農民組合で、田んぼアートに挑戦しました。全国各地では大がかりな田んぼアートが話題を呼んでいますが、ヒノヒカリと緑米の2品種の稲の絵からまずやってみようと企画しました。題して「ワクワク田んぼアート」です。

 山口県農民連の世良輝久書記長と恵美子さん(全国女性部役員)ご夫妻に泊まりがけで指導をお願いしました。

 初日は世良さんが区画の取り方と図面のポイントを指示し、組合員が竹杭を打ち、ひもで下絵を描いていきます。その日は農家だけで黒色となる緑米を雨と泥まみれで植え付けました。

 工事用の足場で見晴らし台までつくり、もし田んぼアートが不出来なら責任重大です。

 かねてから田んぼアート構想は膨らんではいましたが、「手がかかる、やり方もわからない」と、農民連の組合員は乗り気でなく、事務局の気持ちはしぼんでいきます。準備段階では、田んぼアートの絵柄にする宮若市のマスコットキャラクター「追い出し猫さくらちゃん」の絵の使用許可を、商標登録している商工会からもらう、図面を作成するなど大変さもありました。

農業の“ワクワク感”取り戻した!

 しかし、いざふたを開ければ、組合員の参加は2日間でのべ50人を超し、今までのどの交流会よりも農家がわれ先にと田んぼに入り、苗を競うがごとく植え付けました。今回の取り組みで、農民の思いは一つ、「農業にワクワクを取り戻したい」ということだとはっきり気づかされ、田植えから始まるドラマがスタートしました。

 翌日の田植え交流会は、大雨予報にもかかわらず消費者50人の参加者があり、宮若市に伝わる猫の伝説「災いを追い出す猫のさくらちゃん」が雨を止めたのか、絶好の田植え日和になりました。

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絶好の田植え日和となった交流会

 下地になる部分を手植えして終了。昼食は八木山川漁協の組合長が捕らえた猪を自らが料理した特製シシ汁です。

 田んぼアートは、8月の中旬から色付きはじめ10月末まで楽しめる予定。「田んぼアート、やってよかった!」と、消費者だけでなく、生産者も喜びとワクワクで“顔いっぱいの笑顔”で第一幕を閉じました。

(若宮農民組合ニュースから)

(新聞「農民」2017.7.17付)
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