新聞「農民」
「農民」記事データベース20170911-1278-05

減反廃止
広がる農民の不安

コメづくりシンポ
京都・京丹後
農民組合丹後地域センター


今後も大いに米をつくり
流通業者らと手つなごう

 田んぼの稲は黄金色に染まり、刈り取りも始まるなか、京都・農民組合丹後地域センターは8月26日、京丹後市の道の駅・丹後王国「食のみやこ」で「生産数量目標廃止後のコメづくり、コメ流通を考える『コメづくりシンポジウム』」を開催しました。営農組合の役員さん、大規模農家、新規就農者ら30人が参加しました。

 来年から40年近く続けられてきた米の生産調整(いわゆる減反)が廃止され、生産費を補てんするために支払われていた一反(10アール)当たり7500円の経営安定対策交付金も廃止されます。

 農家の間では「来年から何をどれだけ作ったらいいのか」「転作への支援はどうなるのか」「米価がこれからどうなるのか」「コンバイン代の支払いができない」など、不安の声が広がっています。

 こうした声を持ちより、来年からの米づくりを考えようと企画したものです。

 パネリストとして米流通専門紙「商経アドバイス」専務の中村信次さんと農民連会長の笹渡義夫さんを迎えました。

 中村さんは「毎年8万トンの需要が減るなかで、外食など業務用の米が不足している。来年から米政策が大きく変わるなかで、飼料用米や多収穫の業務用米への転換など、農家にも対応が求められている」と話しました。

 笹渡さんは安倍政権が「農業の成長産業化」を口実に、農政から総撤退しようとしていること、農業とは無関係な学者、財界人が「規制改革推進会議」で自分たちに都合の良いように農業政策を決めていることを告発。政治と農政の転換を訴え、「生産から撤退せずに大いに米を作り、消費者・流通業者とも手をつないでがんばろう」と呼びかけました。

 参加者からは「営農組合の役員でがんばっているがむなしくなることも」「大きな農家も小さな農家もなければ村は守れない」「将来を考え集落営農を法人化した」「少しでも有利販売をと袋も作り直売している」「農業を守るためにも府政を変えなくては」などの意見が出されました。

 地域センターでは引き続き懇談や共同を広げ、行政や農協にも声を届けることにしています。

(京都農民連 安田政教)

(新聞「農民」2017.9.11付)
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