新聞「農民」
「農民」記事データベース20171106-1286-14

農家の税金対策
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不公平税制を正す運動

 どんなに努力して節税しても、それ以上に増税されたら元も子もありません。そもそも、生活保護水準にも満たない所得から税金をとることは、憲法違反と言わなければなりません。不公平税制を是正する運動は、最も根本的な税金対策です。

 安倍政権のアベコベ税制

 第2次安倍政権の5年間で、格差と貧困はますます広がりました。大企業の内部留保は70兆円増えて403兆円にまで膨れ上がりました。一方で、労働者の実質賃金は年間10万円も減っています。

 法人実効税率を37・0%から29・97%に7ポイント以上も引き下げ、消費税率を5%から8%に引き上げました。

 消費税は、農家や中小企業にとっては赤字でも払わなければならない営業破壊税ですが、輸出大企業にとっては、税率が上がるほど“濡れ手に泡”の還付金が増える輸出補助金のようなものです。

 消費税10%への引き上げを止めよう

 2014年4月に消費税率を8%に引き上げた後の40カ月で家計消費が前年同月を上回ったのはたったの3カ月、37カ月はマイナスです。2人以上の世帯の実質消費支出は、2012年12月の月額30万円から17年7月の28万円へと2万円も減っています。

 安倍政権は、2019年10月に消費税率を10%に引き上げるとしています。そんなことをすれば、くらしも経済もどん底に引き落とされてしまいます。私たちの運動を強めて、消費税の引き上げをストップさせましょう。

 選挙で議員を選ぶ

 税法をつくるのは国会議員、地方税を定める条例をつくるのは地方議会議員です。税制はこの人たちが決めるのですから、選挙はたいへん重要です。

 農民連は政党支持の自由と政治活動の自由を保障していますので、特定政党の支持を組織で決めるということはしません。だからといって選挙で何もしないということではありません。各政党が税金の集め方や使い方についてどんな政策をもっているか情報交換し、仲間同士、率直に語り合うことはとても大切なことです。

 憲法12条は、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」と定めています。不公平税制を正し、納税者の権利を確立することは、主権者である私たち国民のつとめです。

(税金対策部)

(新聞「農民」2017.11.6付)
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