新聞「農民」
「農民」記事データベース20171127-1289-08

韓国KPLの農民ら15人
日本農業を視察・研修


千葉 八日市場ふれあいパーク
直売所の手数料は?
加工施設の許認可は?

 忠清北道地域の農民

 10月30日から11月2日までの4日間、国際農民組織ビア・カンペシーナに加盟する韓国全国農民会総聯盟(KPL)のメンバーで、忠清北道地域で果樹や野菜、稲作などを営む農民ら15人が視察・研修のため来日しました。30日から31日にかけては千葉県北総地域と東総地域を訪れ、生産者と交流したほか直売所やソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)などを視察しました。

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一緒に写真に収まる千葉県農民連とKPLのメンバー

 和やかに交流できた

 30日には、佐原市の道の駅で農産加工品などを販売する農家と交流したあと、江戸時代から続く佐原の街並みも少し観光しました。通訳を介したやりとりで、初めて会う者同士ですが、お互い農家ということもあり、すぐに打ち解け、和やかに交流できたようです。

 31日には、世界最初の協同組合「先祖株組合」などに取り組んだ、「幕末の農村指導者」「農村を救った知の侍」と言われる大原幽学(おおはらゆうがく)記念館を訪れました。展示の前で質問を重ねる熱心さに、説明いただいた職員の方も、韓国の農村に関心を持っていました。

 続いて、匝瑳(そうさ)市にある農産物直売所「八日市場ふれあいパーク」では、直売所の運営など1時間を超える質疑が行われました。特に直売所の手数料や加工の許認可について強い関心を持ち、韓国では財閥の影響が強く50%も手数料をとる直売所や、加工施設の認可に厳しい制約があることを話しました。

 お店では、玄米をその場で精米する量り売りのコーナーで質問が集中し、購入から精米までを実演してもらっていました。また、日本の農家の高齢化について話した際、「皆さんは若いですね」と問いかけると、韓国の平均年齢は約60歳で「私たちは若手の選抜メンバーだ」と応じてくれました。

栽培しながら太陽光発電
深い興味もち強い関心も

 ていねいな応えに納得

 その後のソーラーシェアリング見学では、韓国でも太陽光発電はあるが、作物を栽培しながらのものは興味深い点や、国の認可の仕組みなどを熱心に質問していました。また、「なぜこの施設を紹介したのか」と問われ、栽培しながら発電で得られた収入を農家や地域に還元し、耕作放棄地を解消していることが伝わると、納得したようでした。
(千葉県農民連 森吉秀樹)


食品分析センター見学

“市民カンパでできた施設ですよ”

 11月1日の午前中は、農民連食品分析センターの見学を行いました。八田純人所長から市民のカンパでできた施設であることなど説明を受けた後で、実験室内を見学しました。農民連の笹渡義夫会長も歓迎のあいさつを行い、「この2国の農民運動の交流は世界の運動に大きな貢献をすると思っています」と述べました。

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分析センターを見学するKPLのみなさん

 参加者からは放射能測定の現状や冷凍ホウレンソウの事件のことなど、多数の質問が出されました。

(新聞「農民」2017.11.27付)
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