新聞「農民」
「農民」記事データベース20180205-1297-09

農民連結成30周年にむけ、持続可能な
農業と農山村を保障する農政実現へ、
強大な農民連建設に挑戦しよう!
(4/7)

2018年1月18日
農民連全国委員会決議

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 (3)安倍官邸農政とのたたかい

    (1)食糧主権・「農民の権利宣言(案)」を高く掲げて
 安倍官邸農政は食糧主権や「農民の権利宣言(案)」など世界の流れとは真逆の方向に突き進んでいます。私たちは、食糧主権・「農民の権利宣言(案)」を学び、普及し、これを対置して安倍官邸農政を包囲する世論を形成していきます。そのためにも「農民の権利宣言(案)」(農民連の3つの基礎講座と一緒に)のテキストを製作し、普及を進めるとともに、次の要求を掲げてたたかいます。

 (ア)「農民の権利宣言(案)」に対する日本政府の妨害をやめさせ、宣言をすみやかに成立させることを要求します。

 (イ)「家族農業の10年間」決議を実践する国内政策の実施と、これに逆行する安倍農政改革の中止を要求します。

 (ウ)「家族農業の10年間」と「農民の権利宣言(案)」の普及・実現を市民と野党の共闘の重要な課題として提案します。

 (エ)「家族農業の10年間」と「農民の権利宣言(案)」の普及・実現のための団体署名運動を提起します。

    (2)卸売市場法の廃止を許さないたたかい
 政府は12月8日、中央卸売市場の開設者要件を撤廃し、「取引要件」を守れば民間業者でも卸売市場を開設できるようにする市場法の「改正案」を決定しました。

 これは、全農攻撃のために「競争力強化支援法」13条で農家や生産者団体に「農産物の直接販売を促進」せよと押し付ける一方、卸売市場を、大手流通資本をはじめとした大企業の利益のための市場に作り変えるもので、食品流通に対する国の公的責任を放棄し、経済民主主義を破壊する究極の規制撤廃です。

 農民連は、幅広い消費者や市場関係者と共同して卸売市場の解体に反対し、市場の役割を今日的に充実強化することを要求してたたかいます。中央・地方で卸売市場解体のねらいや市場の果たしている公的役割を明らかにするために、生産者や市場関係者、小売店、消費者、専門家と力を合わせ、各地で学習会やシンポジウムを開催しましょう。中央段階では、築地移転に反対する仲卸や女将さん会の人たちと一緒にシンポジウムを準備します。

    (3)種子法廃止を具体化させないたたかい
 米・麦・大豆の種子の公的な保存・生産・普及を規定する主要農作物種子法廃止法が先の通常国会で可決され、2018年3月31日に廃止されます。

 国会答弁では政府・農水省は「廃止されても運用は現行と変わらない」と答弁し、付帯決議では「十分な予算措置」「民間への知見の流失の防止」などをうたっていました。

 しかし、11月15日の事務次官通知では「知見の民間事業者への提供」を強調し、「参入が進むまでの間」に限って「生産に係る知見を維持し、稲、麦類および大豆の生産や供給の必要な措置を講じる」と、試験場の運用を限定しています。「十分な予算措置」をさせるためにも、都道府県への要請を強めましょう。

 種子法廃止に対しては、消費者が強い不安と関心を寄せています。消費者と一緒に試験場との懇談を行い、都道府県への要請を強めましょう。「日本の種子を守る会」が提案している新法制定署名にとりくみましょう。

    (4)地域から農協解体攻撃を跳ね返そう
 2015年の農協法改悪に続いて、独占禁止法適用除外の廃止、全農の株式会社化、信用・共済の分離、準組合員の見直しなどがねらわれています。

 農民連は、全労連、全農協労連、自治労連、生協労連、新婦人、全国食健連と一緒に「安倍政権の地域農業・農協つぶしに反対し、食料・農業・地域を守る運動をすすめる連絡会」を作り運動を進めてきました。地域インフラの核である農協の解体を許さないために、農協や自治体への申入れ、懇談を進め、地域から農協解体攻撃を跳ね返す世論を広げましょう。

    (5)青年就農給付金の骨抜きを許さないたたかい
 政府は、青年就農給付金事業を「農業次世代人材投資事業」に改め、これまでの「本人の意欲」と「人・農地プラン」で位置づけることを基本にした要件を、経営・資金・農地の3点を市町村が責任をもって整えることを追加し、給付金の返還要件を厳しくする重大な制度改悪を行いました。自治体によっては腰が引けて申請を事実上、拒否する事例が出ています。

 安倍政権による青年就農給付金の骨抜きは許されません。政府に制度の後退を許さず、活用しやすい制度に改めることを要求し、都道府県、市町村に対しても同様の働きかけを強めましょう。

2、生産と地域を守る運動

 (1)米をめぐる情勢と運動

    (1)2018年問題と17年産米の状況
 安倍首相は「40年以上続いてきた減反を廃止する。民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を、需給の人為的コントロール抜きに作れる時代を作る」(2014年1月、ダボス会議)としています。これは、政府が米価と需給への責任を放棄し、主食である米の生産と流通を企業のもうけのために丸投げすることがねらいです。食料自給率向上や主要食糧の安定供給に対する政府の責任放棄であり、最悪の亡国農政です。

 政府は2018年から10アール7500円の「米の直接支払交付金」と、国による生産目標数量の配分を廃止します。豊作などの生産「過剰」による価格下落が起きても、生産者の責任にされ、地方自治体やJA、生産者団体に生産調整の実行責任が押し付けられようとしています。

 生産の現場では、これまで築いてきた転作・輪作体系や投資した機械もあることから、従来の転作の枠組みを維持するというのが一般的と言われます。

 2017年産米は「米価高騰」とマスコミで大宣伝されていますが、米価の上昇の要因は、飼料用米の拡大などによる「需給調整効果」に加えて、作柄不良などで農協の集荷が大きく減少しているなかで、大手米卸を先頭にした「庭先」での米の奪い合いによるものです。

 しかし、生産者手取りは、1俵1万3千円程度(税別)で、生産費の1万5390円(2015年産)を大幅に下回る水準です。生産者手取りが1万円にも満たなかった2014年産米の水準と比較しての「高騰」報道であり、お茶わん1杯のごはんが25円から30円になった程度で、まだまだ「安い米価」であることに変わりありません。

    (2)政府の責任放棄で大手流通資本が価格を左右する
 政府や業界は、農家自身が経営者として判断し、売れるものを、売れるだけ生産すれば、国が生産数量目標配分をやめても経営が安定すると開き直っています。しかし、政府の責任放棄によって生産現場では気候変動リスク、流通段階では大手量販店・外中食パワーリスク、これらの要因が重なって価格変動リスクが生産者・米業者にもたらされます。

 これまでも特定産地の銘柄が大手コンビニへ納入決定という情報が流れただけで市場が過剰反応し、価格が暴騰したのちに大暴落した事例が起きています。40万トンと言われる大手コンビニのおにぎり・弁当用米をはじめ、一部の大手外食・中食業界の商品ラインナップの変更が、産地の販売計画を狂わせ、価格に大きな影響を与えます。2017年のように不作で生産量が減少しているもとでは、数量確保のための買い占めを許すことになります。

    (3)亡国農政を転換し、食料自給率向上、米を守る大運動を
 安倍政権は、食料自給率を38%まで低下させた責任を棚上げし、さらに食料自給率を低下させる政策を推し進め、あたかも農産物輸出に未来があるかのような欺まんを振りまき、2018年度から輸出米の生産支援に10アールあたり2万円の産地交付金を支出することまで打ち出しています。一方、MA(ミニマムアクセス)米の販売と管理に年間500億円もの税金をつぎ込んでいます。

 いま、求められるのは戸別所得補償を復活するなど、再生産できる水準の米価を保障する「岩盤対策」を強化し、米農家の後継者を育てることです。さもなければ日本の稲作は崩壊し、国民が日本のお米を食べ続けることはできなくなる事態になりかねません。国民の主食・米を守ることが市民と野党共闘の重要な柱になるように国民的運動を発展させましょう。

    (4)「ものを作ってこそ農民」、生産から撤退せず、信頼を大切に流通業者・消費者とともにたたかいを強めよう
 2017年3月に農民連ふるさとネットワークが奈良県で開催した「担い手づくりフォーラム」で、福井県若狭町の農業法人「かみなか農楽舎」の実践が注目されました。町が人材と資金援助を行い、後継者を育成する「就農定住研修事業」やインターンシップ事業など、リタイアする農家の後継者づくりと耕作放棄地対策を行っています。

 各地の先進的な経験に学び、生産と地域を守る多様な実践を広げるとともに、自治体に青年就農・定年就農など多様な担い手への助成や、産地づくり交付金とは別に独自助成を求めるなどの要求運動を強力に進める必要があります。

 地域で準産直米の拡大にとりくむとともに、2018年米問題で米農家、大規模法人などを訪問し、さらに農協、自治体、米穀関係業者、加工業者などとも販路拡大や米の集荷・検査・保管・運送など体制強化も視野に入れた提携を模索しましょう。

 水田・地域・家族農業を守り、次世代に農業を伝えるために「みんなが担い手」の立場で、生産から撤退せず、これまで築いてきた信頼を力に、少しでも有利な販売の道を広げましょう。

 毎年「8万トンの消費減」にブレーキをかけ、家庭に「食」を取り戻すために、学校給食無償化、中学校給食の実施、自校調理の復活など学校給食をよくする運動や地産地消の拡大など、各地で消費者・労働組合などとともに大いに運動にとりくみましょう。今日的な「貧困」問題、子ども食堂やフードバンクなど、社会的な活動への協力も進めましょう。

 米農家の経営を守る「日本の米を守る大運動」としてシンポジウム・学習会が福島県、島根県、京都府、愛知県、大阪府、富山県、石川県などでとりくまれました。

 集荷が困難な状況のもとで「米で仲間づくり、米で組織を支える」を合言葉に、単組をあげての対話運動を行い、会員拡大や集荷数量を積み上げています。このような各地の実践を教訓にし、全国各地で農民連の役割を大いに発揮しましょう。

 話し合いや学習を力に、新日本婦人の会会員との産直を発展させましょう。

(新聞「農民」2018.2.5付)