新聞「農民」
「農民」記事データベース20180205-1297-10

農民連結成30周年にむけ、持続可能な
農業と農山村を保障する農政実現へ、
強大な農民連建設に挑戦しよう!
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2018年1月18日
農民連全国委員会決議

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3、食品分析センターを生かして安全な生産を広げよう

 農民連食品分析センターは、高速液体クロマトグラフ質量分析計の導入と、既存の機器の整備により、検査可能な農薬数が大幅に強化されました。この新しい検査機能を生かして輸入農産物の安全性をチェックする市場調査活動のほか、国産農産物の検査支援などを進めています。

 日本政府はネオニコチノイド系農薬などの残留農薬基準を緩和させていますが、世界では規制が強まっています。消費者と手を取り合った安全、安心の国産農産物を生産する運動を今まで以上にけん引していくため、積極的に検査し、データでも安全・安心を伝える運動にとりくみましょう。また、農民連会員であれば、分析センターの利用が割引となるメリットを生かし、会員拡大にもつなげましょう。

 アメリカは、日本に遺伝子組み換え(GMO)表示の撤廃を迫り、日本に遺伝子組み換え食品の輸出を拡大するねらいを強めています。さらに国内でも遺伝子組み換え種子などの栽培が推し進められようとしています。

 農民から種子を奪い、市場の独占をねらう動きに対し、遺伝子組み換え種子ノーの声を上げるとともに、GMOの検査・調査活動や、GMOフリーゾーン宣言、大豆トラスト運動、政府への監視・安全対策の強化を求める運動などにとりくみましょう。

4、くらしと経営を守る多様な要求運動

 (1)消費税増税を阻止するたたかい

 安倍政権は、先の総選挙で「子どもの保育無料化」「高等教育の無料化」の財源確保のためにも、2019年10月に消費税率10%への引き上げを公約に掲げ、あわせて「軽減(複数)税率」導入と、それにともなうインボイス(適格請求書)の義務付けを行おうとしています。「軽減税率」は、飲食料品の税率据え置きにすぎず、まったくのごまかしです。農民にとっては「売り上げ」は8%、「経費」は10%で、2%分の税負担を強いられます。課税事業者にインボイスの発行が義務付けられると多大な事務負担と混乱が予測されます。さらにインボイスが発行できない非課税事業者は取引から排除されかねません。消費税増税と複数税率・インボイス方式の導入を中止させましょう。

 (2)自主計算・自主申告運動の前進、マイナンバー制度の廃止を

 直売や産直を手がける農家への税務調査や直売所へのいっせい調査、税務調査の事前通知義務を怠り、税務署に呼び出すなどの違法な調査が後を絶ちません。組織的な対応ではねかえしましょう。

 規模拡大や収入保険対応で青色申告を選択する農家が増えていますが、十分な指導が行われていないために、専従者給与額の適切な設定や記帳、雇用者の源泉徴収、年末調整などの実務対応に苦慮する例が多くあります。こうした要求に応えたとりくみを進めましょう。

 農家にとって重い税金が国保税です。所得が住民税の非課税限度額を下回ると国保税、介護利用料や医療費など各種公的負担が軽くなるため、年間数十万円もの違いになることがあります。

 正しい記帳と申告は、くらし全般に影響することを広く知らせましょう。農民連の『税金対策の手引き』と『記帳簿』を使って、多様な要求で結びつきのある農家に働きかけて会員に迎え入れましょう。「春の大運動」を大きく前進させ、「3・13重税反対全国統一行動」を成功させましょう。

 無用の事務負担を増やし、漏えいによる多大な危険を生み出すマイナンバー制度の廃止を求めます。

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来春の30周年に向けて「団結がんばろう!」=1月18日

 (3)国保税を引き下げる運動

 今年4月から国民健康保険が都道府県単位化されることになっています。多くの都道府県が、加入者一人あたり平均で年数千円の引き上げになるとの試算を公表しています。国庫負担率を50%に戻すことこそ求められます。あわせて、国保の財政責任主体となる都道府県に対して、一般財政から国保財政への繰り入れを行い、国保税を引き下げるように要求しましょう。国保の申請減免制度の拡充を求めましょう。

 (4)免税軽油制度の恒久化、農作業中の事故に備える農業労災制度活用などの運動

 免税軽油制度は、農業で使用する軽油の取引税が一定の手続きをすれば免税される制度で、私たちの運動によって2021年度(22年3月)までの延長が「税制改革大綱」に盛り込まれました。活用を広げるとともに、申請の簡素化、継続延長させて恒久的制度にするための運動を強めましょう。

 高齢化が進み、農作業中の重大事故が増えています。農業労災は厚生労働省の指導する半公営の労災保険で、掛け金が安く、医療費は全額、休業補償は4日後以降、完治するまで補償される優れものです。各地で農業労災制度の活用を通した新たな会員拡大が進んでいます。全国でとりくみましょう。

 (5)全国で学校給食の無償化を求める運動を進めよう

 子どもたちに安全でおいしい学校給食を実現することを基本に、父母や栄養士、調理師、先生方や地域の生産者とも協力し、全国で学校給食を充実させる運動を進めましょう。また、「公教育無償化」の原則をふまえた学校給食を無償にする運動を進めましょう。

 食健連と共同で「学校給食シンポジウム」の開催など、地場産の農産物の利用率を向上させる運動、食育推進運動などを進めましょう。

 (6)都市農業を守り発展させる運動

 「農地と農業関連施設への課税はあくまで農地として評価し課税せよ」というのが農民連の要求です。

 都市農業基本法で「都市と緑の共生」が確認され、都市農地の保全に向けて生産緑地の指定を10年間延長できる「特定生産緑地」制度が創設されました。さらに2018年通常国会には、相続税納税猶予制度の適用要件に、「生産緑地を貸した場合も含める」法案の提出が予定されています。

 生産緑地の指定がされて30年を間近に迎えるなかで、企業が農地を借りて「貸し農園」を経営する動きが活発になっています。生産緑地の指定が解除された後、高齢化等の事情で「特定生産緑地」を申請できない農家に対し、直ちに宅地並み課税に移行せず、段階的な対応を要求するなどの運動を進めましょう。

 生産緑地への固定資産税を、「緑地管理料として無税」にする運動とあわせ、都市農地を業者に「貸す」のでなく、地域住民と一体となって管理・保全する運動を探求しましょう。

 (7)鳥獣被害対策の運動

 鳥獣被害の広がりは農業と農民の生産意欲に重大な影響を与えています。農村の衰退が被害を増幅させる悪循環となっています。国や都道府県、自治体に対策と予算確保を求めるとともに、専門的な知見を結集した住民ぐるみの対策を進めましょう。

 (8)畜産、 漁民要求の運動

 大手乳業メーカーや大手量販の利益のために指定団体制度に穴があけられ、日欧EPA合意やTPP11「大筋合意」などで乳製品や牛肉・豚肉の輸入が拡大されようとしており、畜産・酪農をめぐる情勢は緊迫しています。畜産農民、畜産団体、消費者と共同して畜産を守る運動を進めましょう。

 資源の枯渇や、国の乱暴な漁獲規制などで沿岸漁業は重大な事態に直面しています。漁業権の民間への開放に反対してたたかいます。漁民要求を実現する運動にとりくみ、全国沿岸漁民連の立ち上げに協力します。

 (9)農業や農村の価値を広げるための文化運動

 農業と農村の役割を否定し、破壊する安倍農政を転換させるたたかいとあわせて、歌声や映画上映など、多くの人々の感性に働きかける文化的な運動が求められます。それは農民の誇りを取り戻すためにも重要です。

 映画「ごはん」は、農業を丸ごと奥深く素材にした映画で、各地で上映運動がとりくまれ、共感されています。全国各地で、農協や自治体など、幅広く呼び掛けて上映会にとりくみましょう。

(新聞「農民」2018.2.5付)