新聞「農民」
「農民」記事データベース20180212-1298-07

農家が得する
税金コーナー
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医療費控除の改正点

 『税金対策の手引き』や昨年10月30日付の本コーナーで詳しく伝えてきましたが、今回は申告にあたっての実務的な点について補足します。

 添付書類は領収書から明細書に

 これまで医療費控除を受けるためには、原則として領収書の添付または提示が必要でしたが、明細書を添付すれば領収書の添付や提示は不要となりました。

 (1)医療費控除の明細書の書式(写真参照)は国税庁のホームページや税務署にあります。

 領収書を個人別、医療機関別にまとめて集計し、表に記入します。通院費等は「その他の医療費」にチェックをして記入します。(領収書は5年間自宅で保管)

 (2)健康保険組合など医療保険者からの医療費通知書を添付すれば明細書を省略することができますが、医療通知書にはない購入費や通院費等は明細書に記入します。

 (3)平成29年分から平成31年分までは経過措置として、これまで通り明細書の添付ではなく領収書の添付または提示によって申告することもできます。

 セルフメディケーション税制

 従来の医療費控除に代えてセルフメディケーション税制の適用を選択することができます。

 対象となる「特定一般用医薬品」とは、医師の処方による医薬品からドラッグストア等で購入できる医薬品に転用された「スイッチOTC医薬品」です。(詳しくは『税金の手引き』参照)

 自己または生計を一にする親族のために購入した特定一般用医薬品の購入費を適用することができます。セルフメディケーション税制の明細書(写真参照)または領収書の添付等が必要です。

 申告主が予防接種や医療保険者による健康診断など「一定の取り組み」をしていることが条件なので、それを証明する書類を添付または提示する必要があります。詳しくは『税金の手引き』を参照してください。

 どちらが得か?

 従来の医療費控除とセルフメディケーション税制で、控除額が多い方を選択できます。

 従来の医療費控除は、医療費の総額(保険などで補てんされる金額を除く)から10万円または総所得金額の5%のいずれか少ない金額を差し引いた金額(上限200万円)が控除額になります。

 セルフメディケーション税制は、購入費の総額(保険などで補てんされる金額を除く)から1万2000円を差し引いた金額(上限8万8000円)が控除額になります。

 差し引く金額が少ないので、少額でも控除しやすい特徴があります。

(税金対策部)

(新聞「農民」2018.2.12付)
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