新聞「農民」
「農民」記事データベース20180416-1307-12

旬の味


 東日本大震災そして原発事故から丸7年。福島の復興、再生というけれどまだ元には戻っていないという現実がある▼娘と2人で立ち上げた会社「きぼうのたねカンパニー」が5周年を迎え、記念感謝祭を東京・原宿で開催した。提携している旅行会社や支援してくれている皆様に、これまでの5年間の活動を冊子にまとめ、感謝の意をお伝えしてきた▼娘は大学卒業後、農業を選択し、県内の若い農業者と海外研修をして人生の未来図を描いていた矢先の原発事故。耕したくても耕せない、農業を続けられない仲間たちもいた▼まして福島で若い女性が農業をやるなんてとんでもないと言われた。福島の農業者は人生設計を狂わされ、苦悩し続けて選択した結果の今の営農だ。どうすれば自分の体を守れるか、福島の農業を元に戻せるかを考えて取り組み続けた7年間▼そして、語り続ける場として民宿を開業して間もなく2年。種まきツアーのバスを見送りながら多くの人に“福島の今”を見てもらいたいと思った。

(ま)

(新聞「農民」2018.4.16付)
HOT情報
写真