新聞「農民」
「農民」記事データベース20180423-1308-09

農民連食品分析センター・
生活クラブ生協(千葉)

GMナタネ調査 in 千葉

製油工場と港の周辺で抜き取り


5検体中、4検体からGMを検出

 世界では遺伝子組み換え(GM)ナタネが3カ国で栽培されており、日本にも油脂原料として輸入をされています。国内輸送の過程でこぼれ落ちたナタネが自生しているのが2004年に見つかって以降、全国各地で自生が見つかっています。

 農民連食品分析センターは4月4日、千葉県の生活クラブ生協と共同で千葉市内のGMナタネの自生調査を行いました。

画像
道路の側溝からGMナタネが見つかりました

 調査は千葉市内の製油工場周辺と千葉中央港周辺の2カ所で行いました。製油工場周辺では例年だと周辺にはこぼれ落ちたナタネがたくさん花を咲かせているのですが、今年は製油業者の方で抜き取りをしたのか、ほとんど見つからない状況です。ナタネかどうか怪しいもの1本を含めた5本を採取し、簡易キットを使う簡易試験で検査を行いました。結果は4本でGM(陽性)が出ました。

 アメリカのノースダコタ州では州全体の道路沿いに自生が広がっているということがアーカンサス州立大学の研究でわかっており、同研究ではすべての高速道路沿いにGMナタネが自生していて、すでに世代交代が起こっているといいます。

 また、GMナタネを許可していないアルゼンチンでも大規模な群生が発見されています。違法に栽培されたGMナタネから在来種にGM遺伝子が伝搬していることもわかっています。

 「こうした世界の事例を見ても、地域の生態系を守るうえで、地道な調査活動は、まだまだ必要です」と食品分析センターの八田純人所長は言います。「ナタネ以外にもトウモロコシやアルファルファ、大豆など多くのGM作物が、飼料や加工原料で輸入されています。多くの人に調査活動に取り組んでほしいと思います」

市民の地道な調査で
地域の生態系守ろう

 食品分析センターでは、遺伝子組み換え作物を原材料として使用する製造業者や生物多様性などの視点でデータを収集したい自治体の方、個人の方からの調査にも対応いたします。

 自生調査の対応作物

 ・大豆、トウモロコシ、ナタネ、パパイア

 ナタネの自生調査の場合は、簡易検査キットと検査マニュアルをお送りします。自分の周りの調査、検査に参加してみませんか。

 問い合わせは、農民連食品分析センターTel03(5926)5131、Fax03(3959)5660まで。

(新聞「農民」2018.4.23付)
HOT情報
写真