新聞「農民」
「農民」記事データベース20180423-1308-11

旬の味


 春になり、新茶のシーズンが近づいてきた昨今、お茶の初市の日程がほぼ決まった。お茶生産農家にとって初市の日程はとても重要で、その年の価格帯に大きく影響する▼近年日本人の急須離れにより茶価の相場は大きく下がってきている(海外での抹茶重要は高まり、抹茶価格は少しましではあるが)。日本のお茶は、買い手業者の采配が値段に大きく作用する▼新茶が良く動く時期は、八十八夜の日から母の日といわれて、業者もこの時期までに入手を求め、それまでに生産するお茶は高値の水準を維持する。生産現場が追いついていなくても、可能な限り初市を早めに行いたいのが本音だと感じる。その後、市を重ねるごとに、当然のように取引平均価格は下がっていく▼そして、生産が追いつかず市場にお茶が集まらないと嘆きの声が聞かれるが、初市のように値段はつりあがらない。生産者、組合が初市を早めずもう少し遅めにするように結束すれば、まだこの価格帯は維持できるのにと私たちは最近思う。

(W)

(新聞「農民」2018.4.23付)
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