新聞「農民」
「農民」記事データベース20180430-1309-04

中津市耶馬渓(大分)
土砂崩落事故


被災の多くが下郷農協関係者
日販連・中塚専務らが現地急行

 4月11日午前4時、大分県中津市耶馬渓町の下郷地区金吉(かなよし)で大規模な土砂崩落が起こりました。幅200メートル高さ100メートルの膨大な土砂が、その下の岩盤とともに一気に押し寄せ、4軒を飲み込みました。

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土砂崩落現場で懸命の救出作業が続いています

 下郷地区は、一般社団法人日本販売農業協同団体連合会(日販連)の社員(会員)である下郷農協が存在する地域で、被災された金吉地区の多くの農家が組合員です。この崩落では6人が巻き込まれ、4月19日現在で4人が亡くなり、いまだ2人が救出されていません。

 下郷農協で手伝えることはないか、本会からは専務の中塚敏春と職員の中川洋介が12日に大分に急行し、翌13日に下郷農協を訪問。矢葺a廣組合長に状況をお聞きし、現場近くに入りました。

 現場では山を大きくえぐり取ったように土砂が崩れており、その上部にはさらに落ちてきそうな岩などもあり、2次災害も警戒されるなか自衛隊・警察が懸命の捜索を行っていました。捜索活動が続いており、県や市も多くの職員を現場に入れており、下郷農協では遺体の安置所の提供や難を逃れた方への宿泊場所の提供などを中心に対応していました。

 矢舞g合長に話を聞きましたが、最初に救出され死亡が確認された岩下義則さん(45)は、かつて農協の職員として下郷診療所・デイケアの送迎や加工場での勤務をしていました。

 また、いまだ消息不明な岩下アヤノさん(90)は、かつて下郷農協が農協立の診療所を建設する際に、建設委員長であり、地域で受け入れを取りまとめる大きな役割を果たしてくれた亡夫、勇さんを側でしっかりと支える優しい奥さんでした。

 少しの雨でも崩落が再び起こる可能性もある危険な現地で、残る2人の方の救出に皆が全力を尽くしています。一刻も早い救出を願っています。

(日販連 中塚敏春、中川洋介)

(新聞「農民」2018.4.30付)
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