新聞「農民」
「農民」記事データベース20180528-1312-10

地元産の食材で安全な学校給食を
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県産小麦100%のパン実現

使用食材くまなく調査活動
千葉県食文化研究会代表 雨宮正子さん

 学校給食パンを国産小麦に変えさせる運動から

 千葉県食文化研究会が生まれたのは15年前。食の安全と教育としての豊かな給食を実現することを方針に掲げました。

 そのなかには、学校給食の食材の安全性を追求することを盛り込んでいます。この問題で、最初にとり上げたのは学校給食パンの小麦でした。2001年に県内各地から集めた学校給食パンを農民連食品分析センターで検査してもらいました。

 驚いたことに視神経に悪影響を及ぼす猛毒マラチオンが0・01ppmも検出されたのです。「これは輸入小麦だからだ」と、さっそく県に国産小麦に変えるように要請しました。その結果、県産小麦30%のパンを学校給食に導入しました。

 その後も、「1日も早く国産100%にしてください」と11年間要求し続け、やっと国産100%のパンが実現できました。しかし、パスタやうどんなどは依然として輸入小麦が使われています。

 県内学校の給食食材調べに取り組む

 2015年から16年にかけて、県内の学校給食への使用食材をくまなく調べました。

 調査の結果、多くの市町村で学校給食に輸入食品を使用している実態がわかりました。県は“千産千消”といいながら、35%は他県か輸入食材に頼っているのです。

 また、この調査でわかってきたことは、学校給食現場で合理化が進んできていることです。今千葉県はPFI(民間の資金や経営、技術などを活用する事業)方式の学校給食が全国一多い県になっています。

 PFI方式をとっている鎌ケ谷市では輸入食材が多くなっています。合理化で、食の安全性よりも大量に安易に入手できる輸入食品の使用が優先されていることが明らかになりました。

 昨年、県の農業生産を増やし、100パーセント地産地消の要求を掲げて署名運動を展開し、約4000人分の署名を集約して12月議会に提出しました。

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署名を提出する千葉県食文化研究会の人たち。右から3人目が雨宮さん=2016年12月21日(日本共産党千葉県議団提供)

 ところが驚いたことに請願は不採択でした。今後も引き続き、「安全安心な地産地消」の学校給食の推進と県内農水産業の振興を求める運動を進めようと話し合っています。

(新聞「農民」2018.5.28付)
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