新聞「農民」
「農民」記事データベース20180611-1314-11

ふるさと
よもやま話

東京農民連会長 小寺理一


都市農業に新しい風を

 東京都清瀬市で体験農園「畑の仲間・清瀬」を開園しています。

 今年の参加者は、子育て真っ最中の女性、定年退職された男性、もう5〜6回利用しているベテランなど多彩です。なかでも「畑で作物を栽培してみたい」「農業体験をしたい」と女子中学生が、お母さんの応援も得て参加しています。畝づくりから、種まき、苗植え等、器用に仕事をこなし、畑の仲間のアイドル的存在です。

 農園の生徒で立候補して当選

 体験農園は8人で取り組んでから6年になり、いま60人を超え、目標の100人をめざして奮闘中ですが、この間、生徒の中から埼玉県知事選挙の候補者が出たり、市長選候補者が出たり、市議会議員も誕生しました。

 昨年の東京都議会議員選挙では、東久留米・清瀬市の選挙区で定数2の激戦のなか、当園の生徒で東久留米市議を辞して立候補した東京農民連会員の、原のり子さん(日本共産党)が見事に当選を勝ち取りました。

 印象的だったのは、当園の野菜畑をバックにして、園主(私)と候補者(原さん)がトラクターをはさんで撮った写真が話題になりました。

 この写真が候補者のビラにも使われて、受け取る側にも大好評で、反響が大きかったようです。

 保守的な地盤の清瀬の農村部で、こうした新しい風を吹かせ続けることが大切だと考えます。

 新婦人と農民連 双子の姉弟関係

 また、私は、新日本婦人の会東京都本部と大豆トラストも行っています。新婦人と農民連は、双子の姉弟と考えており、この行事には目的意識的に取り組んでいます。

 新婦人のみなさんが、日頃の生活を離れ、武蔵野の風情ある栗林の木陰で、枝豆を収穫して、その場でゆでて食べることを通して、会員でない知人、友人も招いて楽しいひとときを過ごすことに意義があると考えています。

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新婦人都本部のみなさんと取り組む大豆トラスト=4月29日

 子どもたちと大豆の種まき

 4月29日には、子どもを含めた30人の参加で大豆の種まきを行いました。収穫は7月下旬から8月上旬の見込みです。収穫時には、ゆでた枝豆のほか、小寺農園でとれたトウモロコシ、スイカなどの提供を行う予定です。

 スイカ割りやサツマイモをゆでて食べること等、心から楽しめる雰囲気を提供し、参加されたみなさんに、農家の実情や農民連の姿を知ってもらう機会の場づくりになっています。

 会員と読者拡大 焦眉の課題だ

 私が東京農民連の会長になって3年。高齢化による会員・読者の減少もあるなか、会員と読者の拡大は焦眉の課題です。

 東京農民連も、新聞「農民」宣伝紙を取り寄せ、農村部に配布することを継続しています。今はまだ卵ですが、必ずふ化すると信じて、宣伝紙配布を継続する決意です。

(新聞「農民」2018.6.11付)
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