新聞「農民」
「農民」記事データベース20180618-1315-15

農家が得する
税金コーナー
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住民税・国保税のチェックを

 6〜7月、国保税や介護保険料、住民税の通知が来ましたか? 所得税よりも重税感が大きいのが、国保税であり、住民税です。

 住民税、国保税の仕組みを学び、節税のポイントを考えましょう。

 所得税より住民税が重い

 実際の負担の重さを考えるとき、住民税は決して軽視できません。

 税率は、所得税が最低5%ですが、住民税の所得割は、一律10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)です。これに均等割の一律5000円(都道府県民税1000円+市町村民税3000円+復興特別住民税1000円)が加わりますので、所得税が少ない人は住民税の方が倍以上の負担になります。

 住民税の所得割の計算は、総所得金額から所得控除を引いた課税所得金額に税率をかけて算出しますが、住民税の控除額が所得税の控除額より低いので、所得税がゼロでも住民税がかかることがあります。所得税がゼロならいいと思わずに、住民税がゼロになるかも考えましょう。

 負担軽減のキーワードは 「住民税非課税」

 3月の確定申告書B第一表の(9)(合計所得金額)が、上表以下の人は住民税「均等割」が非課税になり、「所得割」を含む住民税が非課税になります。「均等割」非課税となれば医療費自己負担限度額や介護保険料、介護利用料、後期高齢者医療保険料などに大きな差が生じます(詳しくは『税金対策の手引き』48〜51ページを参照してください)。「均等割」非課税のレベルも意識して、きっちり経費を洗い出しましょう。

 国保税の軽減も所得で決まる

 国保税は、所得割+均等割+資産割+平等割の4つの組み合わせで決まります。それぞれの金額・割合は、各市町村議会で決めますので、それぞれの自治体で確認してください。

 国保税の場合も、所得割の占める割合が高く、国保税も確定申告書B第一表の(9)(合計所得金額)の数字が大きく左右します。

 世帯の前年分の合計所得金額が、下表の基準額でしめした被保険者数(国保加入者数)に応じた金額以下ならば、国保税の均等割及び平等割が軽減されます。専従者控除(給与)をとるなど所得税の申告の仕方によって、国保税が下がることがあります。(詳しくは『税金対策の手引き』53、54ページを参照してください)

 無申告で軽減 メリットが適用されない場合も

 年金を受け取っていない人で、給与の源泉徴収票も出ていない人は、申告しないと役場で所得が確認できないので、税金が掛からない所得でも、国保の減免など、減額のメリットが適用されないことがあります。

 税金ノートで経費はチリ一つ残さず

 農民連は、「税金(所得税)がかからないからもういいや」と途中で経費を拾うのを止めずに、税金ノートなどを使って自主計算し、「チリひとつ残さず」の精神で徹底的に洗い出し、所得税だけでなく住民税や国保税の負担を大幅に軽減させています。

 「更正の請求」で軽減も

 場合によっては、所得金額を見直して所得税の「更正の請求」を行い、住民税・国保税の軽減を図りましょう。

(新聞「農民」2018.6.18付)
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