新聞「農民」
「農民」記事データベース20180709-1318-03

アジアと世界の種子
食と農の未来考える

東京で連続セミナー開かれる


種子の権利を守るインドのたたかい

 東京都内で6月下旬から7月初頭に行われる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の中間交渉会合に合わせ、交渉の情報収集や市民運動のために来日した国際NGOをゲストに招き、アジアと世界の種子、食と農の未来を考えようという連続セミナー(全2回)の第1回が6月23日に開催されました。

 この日は「遺伝子組み換え作物・種子の支配とたたかうインドの女性たち」をテーマに、インドの弁護士で政策アナリストのシャリニ・ブタニさんの講演予定でしたが、ブタニさんがご家族の急病で来日できないことになり、急きょビデオメッセージでの報告となりました。

 インドでは、2002年に除草剤耐性の遺伝子組み換えワタが認可されて以降、種代が高騰し、経費の増加に苦しむ農民の自殺が急増している一方で、農民の種子の権利を守るたたかいがきわめて広範に、力強く展開され、ワタ以外の遺伝子組み換え作物の承認を阻んでいることを、シャリニさんは報告。インドの女性たちの力強いたたかいに、会場は大きく励まされました。

多国籍企業の種子支配
生命の特許化にも警鐘

 日本の種子を守る会アドバイザーの印鑰(いんやく)智哉さんが、ブタニさんの報告を補足しながら、多国籍企業による種子支配の実態や、種や生命を特許化する動きについて解説しました。印鑰さんは、日本では主要農作物種子法の廃止だけが問題なのではないことや、遺伝子組み換え作物の出現後の1998年に、育成者権の強化を盛り込むよう種苗法が改定された経緯などもわかりやすく整理し、生命の特許化にも警鐘を鳴らしました。

今ある多様な種子を守ろう

 農民連の齋藤敏之常任委員もコメンテーターとして発言し、落花生の種の購入時に「種取りはできるが種としての譲渡はできない」という誓約書を書かされた経験などを紹介しながら、「おいしいもの、多様な食を次世代につなげていくためにも、今ある多様な種子を守っていくことが大切だ」と訴えました。

(新聞「農民」2018.7.9付)