新聞「農民」
「農民」記事データベース20180730-1321-06

農家に 消費者に
忍び寄るGM(遺伝子組み換え)作物の自生
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問題解明に大きな役割
農民連食品分析センター

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 いま、遺伝子組み換え(GM)作物の自生が、GM作物の栽培国のほか、日本各地でも問題になっています。それは、在来農作物がGM作物と交雑するなどの問題を引き起こすとともに、海外で自生作物が何らかの理由で輸入農作物に混入し、日本に輸入され、食の安全に大きな不安をもたらすことになります。GM作物の自生の現状と問題点をみると同時に、GM作物・食品問題の解明に大きな役割を果たしている農民連食品分析センターの活躍を特集します。


生協・農民連女性部・市民団体…

38都道府県で自主調査
さらに広範囲で実施を

ナタネ

 「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は7月14日、都内で「2018年遺伝子組み換えナタネ自生調査報告会」を開き、調査活動に取り組んだ市民団体、生協などから80人が参加しました。

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GMナタネ調査の報告をする八田所長(中央)

 検体総数885

 今年も北は北海道から南は鹿児島県まで38都道府県で調査が実施され、検体総数は885。検査キットを使った1次検査では、除草剤ラウンドアップをまいても枯れない(RR耐性)GMナタネは2カ所で8検体、除草剤バスタをまいても枯れない(LL耐性)GMナタネは9カ所で34検体でした。

 農民連食品分析センターも、茨城・鹿島港、千葉中央港、福岡の3カ所で採取したものを、精密機器で行うPCR法で検査。千葉中央港は、生活クラブ生協のみなさんとの共同調査、福岡は、福岡県農民連女性部の調査でした。千葉と福岡では、遺伝子組み換えが検出され、福岡のものは、港から直線距離で40キロ離れた内陸部でGMナタネが発見され、自然交配の深刻さを物語っています。

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千葉市内でのGMナタネの自生調査(4月4日)

 農水省も9カ所で組換え体発見

 農水省も毎年、各地の港周辺で調査。2016年度は、全国17カ所で調査を行い、9カ所の142の個体数が遺伝子組み換え体であるなど、各地で自生が認められています。今後もより広範囲での調査活動が求められています。

(新聞「農民」2018.7.30付)
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