新聞「農民」
「農民」記事データベース20180730-1321-07

農家に 消費者に
忍び寄るGM(遺伝子組み換え)作物の自生
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問題解明に大きな役割
農民連食品分析センター

関連/農家に 消費者に 忍び寄るGM作物の自生(遺伝子組み換え)(1/4)
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GM種子が日本でも流通?

食品分析センターの検査で発見

ワタ

 2014年、中国から輸入した綿の種子にGM種子が混入していることが発覚、メーカーが回収する事態となりました。

 今年3月、農民連食品分析センターの検査で、GMセイヨウワタの日本での流通が疑われる結果がでました。ある農家から種まき前の綿の種子の分析を依頼され、検査した結果、遺伝子組み換えだったのです。さらに動物飼料からテスト用に選んだ2つの綿実からも遺伝子組み換えが検出されました。

 各地で自生確認

 この事態を受け、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は、農水・環境両省に対し、「広範にGM種子が出回っている可能性がある。GM種子の流通に関する情報を把握しているのか。汚染源の特定と汚染の程度の調査をする予定があるのか」などについて、公開質問状を提出しました。

 農水・環境両省は、「2014年の違法輸入事件以降、種子の輸入業者など対策の徹底を求め、輸入時の検査を強化してきた。検疫の段階での検査強化に努め、輸入されないよう水際で対策を行うことが大事」だと、口頭で回答しました。

 農水省は、2014年度から16年度にかけて、GM綿の自生調査を行ってきました。自生していたものが遺伝子組み換えかどうかは明らかにしていませんが、各地でこぼれ落ち・自生が確認されています。

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ワタの種子。左が遺伝子組み換え(組み換えの有無に色は関係ありません)

 綿の種子を入手する際に、遺伝子組み換えかどうかわからないまま、GM種子が人づてにやりとりされている可能性もあるほか、家畜飼料などから取り出した綿実が遺伝子組み換えと知らずに、栽培されている可能性もあります。

 農民連食品分析センターは、GM綿の調査活動への協力を呼びかけています。

(新聞「農民」2018.7.30付)
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