結成30年の力を生かし、日米FTAストップ、
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各地で進む農家と消費者との交流=東京都清瀬市 |
(2)新婦人と農民連の「産直運動の新たな共同目標」の実践を
農民連と新婦人の28年の産直運動の積み重ねを生かし、「産直運動の新たな共同目標」が合意されました。15年から新婦人本部と農民連・ふるさとネットワークの定期協議が再開され、「産直わくわくニュース」の発行、毎月の産直企画提案が行われています。
都道府県連と産直組織が連携し、新婦人産直の現状と要求を共有し、産直運動に参加することで生産者を支え、日本の農業を守り、さらには社会を変え、政治を変える運動へ産直運動を高めるための学習・交流をめざしましょう。
そのためにも、田植え・稲刈り交流以外にも工夫をこらした交流企画、「産直運動カフェ」などのような多様な企画にとりくんでいる都道府県連、産直組織の実践に学び、運動を強化しましょう。
(3)地産地消による学校給食無償化を求める運動
地域の安全な食材を使った生産者の顔の見える学校給食の実現を全国共通課題に位置づけて運動を広げ、関係者・学校との懇談、学習会やシンポジウムなど、住民ぐるみの運動に発展させましょう。TPP11が発効して外国からの輸入食品が増加し、学校給食もターゲットとなります。地場産農産物の利用をさらに拡大するとともに、民営化・センター化反対、学校給食の無償化運動を進めましょう。また、学校給食へのとりくみをちゅうちょさせる学校給食固有の受発注方法、少量配送・時間制限の課題なども洗い出し、行政・学校現場とも話し合いましょう。
3 日本の種を守る運動
(1)「種子法」廃止後、大きく広がった運動
官邸主導による種子法廃止に対し、全都道府県が従来通り種子事業を続け、新潟、埼玉、兵庫、富山、北海道、長野などの道県が種子法に代わる種子条例を制定または検討、さらには、野党6党が共同提案した「主要農作物種子法復活法案」を継続審議に持ち込むなど、運動は大きく発展しています。さらに、この運動は、種子法廃止の背景にある官邸農政そのものの矛盾を鋭くえぐる運動に発展しています。また、「種子への権利」を盛り込んだ「農民の権利宣言」が国連で採択されましたが、日本政府は棄権し、世界の流れに対する逆行ぶりを示しました。
全国で種子条例制定をめざし、この運動を通じて野党6党共同提案の種子法復活法案の成立を求める運動を強めましょう。
(2)種苗法改悪を許さない運動と在来種を守る運動
その一方で、植物遺伝資源の「育成者権」を強化し、農民の「種子への権利」を侵害する動きも強まっています。農水省は18年5月、「植物の新品種の保護に関する国際条約」(UPOV=ユポフ=91)で定めている農民の「自家増殖」の権利を「原則禁止する」との方針を打ち出しました。そのうえで、野菜・果樹・草花・鑑賞樹など自家増殖が禁止されていた「登録品種」を82から、289に増やし、今後さらに増やしていく方針を明らかにしました。これによって農家は毎年種苗を買わなければならなくなります。種子・植物遺伝資源は人類の共有財産であり、これを企業に独占させることを許すわけにはいきません。地域の共有財産である在来種を守り普及していくことは、農民の自主権を回復する運動です。大手種苗会社に頼らない「在来種を守る」運動を大いに進めましょう。
4 分析センターを利用した検査運動の推進を
農民連食品分析センターは、食の安全を守る“食と農の防人”として、放射能、残留農薬、重金属、遺伝子組み換えなどの検査にとりくんできました。
(1)飛躍的に強化された検査能力をいかして
多くの皆さんの募金により導入した分析装置(LC/MS/MS)が本格稼働を開始し、従来機器との組み合わせよって、検査能力が飛躍的に向上しました。残留農薬検査では、国内登録成分の7割に相当する400成分に対応できるようになりました。この検査能力を活用し、農民連会員などの受託検査だけでなく、輸入漢方生薬、輸入ワインの残留農薬調査など、食の安全・安心を監視する調査活動を行っています。築地移転先の豊洲新市場に大量発生したカビについても綿密に検査を実施し、結果を発表しました。
また、国内では栽培することが承認されていない遺伝子組み換えワタが、気がつかずに栽培されてしまっている実態も発見し、環境省、農林水産省に、栽培者を被害から守るとりくみと、事態の改善を求める要請にとりくみました。
(2)農民連会員の技術の高さと産直野菜の優位性を明らかに
農民連食品分析センターは、食の安全・安心の調査活動だけでなく、日頃の農産物生産にも生かすことができるものです。会員から「なぜうちの豚肉は脂がおいしいか調べてほしい」という依頼に応えて行った検査では、会員の豚肉の脂肪酸組成が、イベリコ豚に近い比率であることを確認し、会員の技術の高さを裏付けることができました。産直野菜はビタミンCが多いことなど、国産野菜の品質を明らかにする検査なども行ってきました。