新聞「農民」
「農民」記事データベース20181217-1340-12

結成30年の力を生かし、日米FTAストップ、
「家族農業の10年」の運動を広げ、
強く、大きい農民連を
(10/10)

農民連第23回定期大会決議(案)
2018年12月5日
農民運動全国連合会常任委員会

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7 「春の大運動」(1〜3月)での会員拡大の飛躍を

 春の大運動は、1年間の拡大運動の成否を左右します。とりわけ今年の春の大運動は、結成30周年の年であり、国連「家族農業の10年」のスタートの年を組織的に前進させるためにも重要な意味を持ちます。

 (1)「組合員だけで終わってしまった」「とりくみが遅かった」の反省を繰り返さないために出足早く

 (1)税金対策部を開催し、『税金対策の手引き』を使って、今年の税金対策の注意点や行動日程などの意思統一をしましょう。

 (2)会員を対象とした税金学習会や「税金ノートの上手な付け方会」「レシート仕分け会」など、地域ごと(班ごと)に開催し、早めの準備に取り掛かりましょう。その際に、会員の記帳会や対外的な「税金なんでも勉強会」の日程を決めると同時に、対象者を出し合いましょう。

 (3)対外的な「税金なんでも勉強会」は、2月上旬までに集中しましょう。

 1月16日から還付申告の受け付けが始まるなど、1月中旬から役場や税務署での所得税申告の説明会が始まります。そして2月16日から確定申告の受け付けが始まります。3月になってから呼びかけても「もう申告を済ませた」と断られるケースも多々あります。2月上旬までに集中しましょう。

 (2)次の点にも留意しましょう

 (1)住民税や国保税の軽減は、すべての農家に共通する切実な要求であり、所得税の申告で大きく左右されます。所得税だけに終わらせず、住民税・国保税の軽減も視野に入れてとりくみましょう。

 (2)会員による紹介活動を重視しましょう。特に新会員は「農民連に入ってよかった」という思いや新しいつながりを持っています。ぜひ新たな人を紹介してもらいましょう。

 (3)集中的なとりくみを支える「臨時専従」など、特別の体制をとりましょう。

 (4)政府による生産調整数量の配分が廃止されたもとで、再生協議会は3月にかけて各農家から生産計画を集約するとしており、農家は営農をどうするか模索しています。

 大規模農家・集落営農組織を含めて幅広く、備蓄米や加工用米などを含めた産直米出荷をよびかけ、多様な要求を掘り起こす対話や、きめ細かな相談会を開いて拡大につなげましょう。

8 ジェンダー平等の社会をめざし、女性部運動を強化しよう

 生産や産直、加工、農家民宿、レストランなど家族農業と地域を維持、発展させるうえでも、農民連の要求運動や組織運営でも女性の役割は欠かせません。

 女性の生産と営農、暮らしの中で生まれる多様な要求を実現する運動を広げ、農民連への加入を促し、女性部の運動につなげるとともに、女性が生き生きと運動に参加し、先頭に立つことが農民連を発展させるうえで重要です。

 農民連は「家族も等しく組合員」を合言葉に、女性を会員として登録することを呼びかけ、当面、農民連世帯会員の6割を目標に、全ての都道府県連・単組に女性部を確立することをめざしてきました。

 しかし、女性部が確立されているのは29道府県にとどまっています。2月6、7日に開催される女性部結成30周年記念総会をめざし、女性会員の登録を広げ、女性部が休止状態にある組織は再開し、未確立の組織は、結成準備の段取りを強化しましょう。

 女性部は、友ぎ団体とともに、国民健康保険の傷病手当・出産手当の拡充や、所得税法56条の廃止など、女性の地位向上に関わる諸制度の拡充を求めて運動してきました。

 2019年は女性差別撤廃条約が採択されて40年の節目の年です。農民連女性部は、日本政府や国連の女性差別撤廃委員会にNGOレポートを提出し、農村女性がおかれている実態を報告していきます。また、条約が定めている、差別を受けている個人が国連に通報して是正を求める「個人通報制度」の早期批准を政府に要求します。

 国連は、持続可能開発目標の中にジェンダー平等を明記し、「農民の権利宣言」の中でも女性の権利確立を欠かせない課題と位置付けています。ジェンダー平等とは、男女の性的差別だけではなく、社会的・文化的な性差で受ける不利益をなくし、性の多様性を尊重し、どの人も共に生きていくためのものです。

 女性を会員として正しく評価し、役員の女性比率を高め、女性が農民連運動の先頭に立てるようにすることは、ジェンダー平等に接近する課題です。

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茨城・常陸野農民センターの支部長・班長会議=2018年7月2日

9 「農民連の未来は青年部にあり」の意気込みで

 各地で農民連青年部員も参加して、学習交流会、マーケット、田植え交流会、豚の丸焼き祭など多様なとりくみが展開され、地域の農業青年との新たなつながりと継続的な共同が生まれています。また、青年部員の中で生物多様性や原発のないオルタナティブな社会など、継続的な学習や青年が何をすべきかについて大いに議論を深めながら奮闘してきました。

 17年のビア・カンペシーナ国際総会に平間徹也部長を派遣して以降、国際連帯に目を向けた活動にも注力しています。18年の青年部総会にはインドネシアとニカラグアからゲストを招き、ニカラグアの農村労働者組合(ATC)とは青年の定期的な交流を検討しています。国際情勢の変化、特に「農民の権利宣言」と「家族農業の10年」を青年農家と共有するためにも、国際連帯の活動は今後も重要になります。

 農民連組織の担い手確保は、組織の根幹に関わる重要課題です。その核は、青年部を確立し、活動を前進させることにあります。青年部の結成・活性化を青年まかせにせず、都道府県連と単組の役員会全体で責任を持つことが必要です。この間、山形・庄内と岩手で新たに青年部が組織されるなど、前回大会以降、青年部結成に努力する県連組織は着実に増えています。また県役員として役割を果たす青年部員も増えてきています。

 青年の自主性を大いに引き出し、役員会の責任で青年の結集と青年部づくりを組織づくりの柱に位置づけて、「農民連の未来は青年部にあり」の意気込みで奮闘しましょう。まずはできるだけ身近な範囲で集まることが大切です。

10 財政について――新聞「農民」購読料値上げについて

 2002年3月に新聞「農民」の月額購読料を350円から現在の450円に引き上げて以来、16年が経過しました。この間に資材・運賃の値上がり、消費税率が5%から8%に引き上げられるなど、発行諸経費が増大しています。あわせてこの間、発行部数が減少したことから、1部当たりのコストが20〜25%も上昇しています。

 本部財政の大宗を占める新聞「農民」の収益低下は、本部財政を縮小させ、組織運営に重大な困難をもたらしています。そこで、19年3月から新聞「農民」の月額購読料を現在の450円から550円に見直すことによって、こうした状況を改善し健全化を実現します。

 購読料の見直しは読者や会員のみなさんに経済的負担をおかけし、組織的にも様々なエネルギーを費やすことになります。しかしながら、現在の状況を克服して30周年を契機にさらに農民連運動の発展を展望したときに、この時期に何としても財政健全化を成し遂げなければなりません。全国センターを守り発展させるためにも、読者のみなさんや全国の会員と組織のご協力を呼びかけます。

 同時に、組織的な後退の中で、事務所と専従者の維持がままならない状況がみられます。都道府県連の財政確立の一つとして完納還元金を増額します。

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(新聞「農民」2018.12.17付)
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