新聞「農民」
「農民」記事データベース20190204-1346-02

FAO(国連食糧・農業機関)駐日連絡事務所

M・チャールズ・ボリコ所長あいさつ

農民連大会

関連/集落営農組合を結成 地域みんなが担い手
  /M・チャールズボリコ所長あいさつ
  /農民連第23回定期大会の常任委員会報告(大要)
  /23回大会で選出された新役員(敬称略)
  /各界・個人からの祝電・メッセージ(順不同・敬称略)


画像  農民連第23回大会の開催にあたり、FAOを代表してひと言ごあいさつ申し上げます。

 FAOは、食料・農業における国連の専門機関です。本部は、イタリアのローマにあり、世界の130カ国以上に事務所を置いて、2年間で2000以上の現地プロジェクトを実施しています。

 世界の農林水産業の発展と農村開発を通して、飢餓のない世界をめざしています。国際連合は2017年12月に開催されました第72回総会において、2019年から2028年を、国連「家族農業の10年」とすることを全会一致で採択しました。

 世界の食料安全保障の確保と貧困撲滅に大きな役割を果たしている家族農業に焦点をあて、「家族農業の10年」と定めることで、家族農業を支援するための政治的なコミットメント(責任)を世界的につくり出すことを目的としています。

 具体的には、各国が家族農業にかかる施策を進めるとともに、その経験や好事例を他国と共有すること、そしてFAOとIFAD(国際農業開発基金)が他の国連システムの関連機関と協力し、「家族農業の10年」の実施を先導すること、あるいは政府や国際地域機関、市民社会、民間セクター、教育機関などが積極的に「家族農業の10年」の実施を支援することなどを求めています。

 「家族農業の10年」とすることで、地球上の食料の80%以上を生産する家族農業に世界の人々の関心を集めることを目的としています。これは、家族農業を促進するための政策の策定を後押しし、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、進展するためのまたとない機会です。

 FAOのグラツィアーノ・ダ・シルバ事務局長は、家族農業について、「貧困・飢餓とあらゆる形態の栄養の不良の撲滅、そして自然資源や生物多様性の保全を含め、さまざまな点で、持続可能な開発に不可欠なものだ」と発言しています。そして、「家族農業を支援するためには、政府のコミットメント、資金配分、分野横断的な公共政策の策定、そして社会的対話が不可欠だ」としています。

 家族農業を促進するためには、農村部の女性の経済的自立を促すこと、そして若者を巻き込むことが重要です。世界では約8億2100万人、つまり約9人に1人が飢餓に苦しんでいます。

 また、あらゆる形態の栄養不良も世界にまん延しています。世界の食料の8割以上は、家族経営の農場で生産されています。従って、世界の飢餓の撲滅と食料安全保障の達成のためには、家族農業を支援することが重要です。

 世界の極端な貧困層の8割近くは、農村部に住み、農業に従事しています。このため、農村部の開発と持続可能な農業に対する資源の投資や小規模農家、とくに女性農業者への支援が農家の生活を改善し、すべての形態の貧困を終わらせるカギとなっています。また、家族農家は、多様な作物を生産することで、気候変動へのレジリエンス(強じん性)の強化に貢献することができます。

 FAOは農業政策や農業開発政策に関するデータ収集、分析やアドボカシー(働きかけ)などを通じて、小規模な家族農業が直面するさまざまな課題の解決を支援しています。

 最後に、みなさんの一層の発展を祈念いたしまして、ごあいさつとさせていただきます。

(新聞「農民」2019.2.4付)