新聞「農民」
「農民」記事データベース20190218-1348-02

アメリカがめざすのは
「日米FTA」だ

アメリカ大使
安倍首相のウソに反論


 “アメリカがめざすのは「日米FTA(自由貿易協定)」だ。交渉準備はできており、すみやかに進展させる”――ハガティ・アメリカ駐日大使は、朝日新聞の単独インタビューで安倍政権のウソとゴマカシに反論し、日米FTA交渉を早期に始めると強調しました。「朝日」(2月5日付)が報じたもの。

 同紙が「日本政府は、サービスも包括的に含むFTAではなく、物品貿易協定(TAG)をめざすと言っているが」と質問したのに対し、ハガティ大使は次のように真っ向から反論。

 「我々はTAGという言葉は使わないし、認識が異なる。協定には、物品もサービスも対象に含まれる。我々の目標は、日本が他国と結んだものに劣らない貿易協定だ」

 さらに「TPPが譲歩の最大限度」という安倍政権の言い訳に対し、「いくつかの分野で異なる認識がある」「アメリカの生産者に対し、日本市場が開放されるようにしたい」と述べ、日本にTPP(環太平洋連携協定)以上の譲歩を迫る姿勢を示しました。

 「友好国」の大使が駐在国の政権の方針に真っ向から反論するのは異例中の異例。しかも日米FTAをめぐって、ハガティ大使が安倍政権のウソを暴くのは、これで3回目です。

 国民にはウソ、アメリカには追随

 この記事が出た2日後、安倍首相は国会で“TAGは日米合意ではなく、日本側が「TAG」と呼ぶとアメリカ側に通告したものにすぎない”と答弁しました。

 これは「日米物品貿易協定(TAG)入りで合意したが、これは日米FTAとは全く異なる」という昨年9月の日米首脳会談直後の説明がウソで、国内向けの「ねつ造」だったことを認めたものです。

 国民に対するウソとゴマカシ、「アメリカ第一」のトランプ追随――日米FTAはきっぱりやめさせなければなりません。

(新聞「農民」2019.2.18付)
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