新聞「農民」
「農民」記事データベース20190325-1353-05

遺伝子組み換え食品・作物から
子どもたちの未来を守ろう


第14回GMOフリーゾーン全国交流集会(千葉)

 遺伝子組み換え(GM)食品・作物を拒否する地域を広げる「第14回GMOフリーゾーン全国交流集会」が3月2日、千葉県成田市で開かれました。

 実行委員長の堀越一仁さん(三里塚微生物農法酵素の会副会長)が「食の安全と子どもたちの未来を守るために、消費者とのつながりが必要です。GMOフリーゾーンの運動を成田から世界に発信しましょう」と歓迎のあいさつを行いました。

 「ゲノム操作食品――私たちはモルモット?」のテーマで、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの天笠啓祐代表が基調講演。目的とした遺伝子の働きをピンポイントで止める技術「ゲノム編集」について説明し、農作物や動物での開発が進み、生態系破壊、種の絶滅をもたらす危険性を指摘しました。

 特別報告として、成田地域の有機農業について、堀越副会長と「おかげさま農場」の高柳功代表が講演。堀越さんは、成田空港建設という巨大国家プロジェクトに抵抗し、有機農業運動やその販売を通して、地域に根差した運動を進めている実践を報告しました。

 高柳代表は、化学農薬が健康や環境に与える悪影響について考え、1988年に「おかげさま農場」を設立し、化学合成農薬でなく有機質肥料などを使用した栽培について紹介。自然食品の店や宅配などで消費者とつながり、農作物を届けていることを報告しました。

 GMOフリーゾーン登録状況の報告があり、2月8日現在までで、全国で農地面積9万9189・37ヘクタール(前年比3663・15ヘクタール増)、海12万6・74ヘクタール、牧場292・10ヘクタール(前年比25・00ヘクタール増)、森林4385・85ヘクタール(前年比18・14ヘクタール増)となりました。

 各団体からは、グリーンコープ共同体、生活クラブ生協、生活協同組合連合会コープ自然派事業連合、生活協同組合あいコープみやぎ、なのはな生活協同組合が報告。各団体とも会員・組合員に向けてサポーター登録、生産者・メーカーへはフリーゾーン運動の理解と拡大を呼びかけています。また、GMナタネの自生調査活動なども報告されました。

 台湾、韓国からも市民・消費者が参加し、GM食品・作物に反対する運動が紹介されました。

 キャンペーンの纐纈(こうけつ)美千世さんが昨年9月にドイツ・ベルリンで開かれたGMOフリーゾーン欧州会議への参加の模様を報告。「生産者と消費者が何をどのように作り、何を食べるのかを選択する自由と権利が守られなければならない」という指摘があったことを述べました。

 開催地の千葉から、来年交流集会が開かれる滋賀県の秀明自然農法ネットワーク、コープ自然派事業連合にパトンの受け渡しが行われました。

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千葉から滋賀へバトンが引き継がれました

 閉会あいさつで、なのはな生協の加瀬伸二理事長が「今後も千葉県では、食の安全を守るためにも種子条例の制定を求める運動を広げていきたい」と語りました。

(新聞「農民」2019.3.25付)
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