国連「家族農業の10年」で食料自給率向上、
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発言する女性部の役員 |
(3)消費税廃止めざし、当面5%への引き下げ、インボイス導入阻止の運動を地域から
最悪の不平等税制である消費税の廃止をめざし、当面5%への減税を実現させるために全力をあげます。消費税増税、インボイス制度の問題点を学習し、地域で農協、直売所、生産組合などとの共同の取り組みを広げ、地方議会請願、署名に取り組みましょう。「軽減税率」区分記載請求書等への対応は免税事業者も含め、全ての事業者に関係します。消費税増税後の対応など「消費税なんでも学習会」を開催し、農家の不安に応えましょう。2019年度の消費税の申告は、年度途中で税率が変わり、みなし仕入率が変わるなど複雑です。課税農家の確定申告に備えた具体的な学習会を開催しましょう。
(3)安倍9条改憲を許さない
安倍政権は参議院選挙で改憲発議に必要な3分の2以上の議席が確保できませんでした。にも関わらず、安倍首相は昨年12月9日の国会閉会にあたっての記者会見で「憲法改正は、必ずや、私自身の手で成し遂げたい」と改憲発議をいまだに狙っています。改憲の根底にあるのが、アメリカとともに戦争する国づくりです。平和で安全な環境で生産を続けられなければ食料自給率の向上もできません。憲法を守り、生かす政治への転換も求め、新しい改憲発議を許さない署名を広げていきましょう。
(4)政府に核兵器禁止条約批准を要求する運動
トランプ政権によるイラン司令官の殺害によって、米・イラン間の軍事的緊張はかつてなく高まっており、一歩間違えば核戦争となりかねない危機的な事態になっています。安倍政権は、国際法にも違反するトランプ政権を批判しないばかりか、緊張が高まる中東へ自衛隊を派兵しようとしています。また、安倍政権は核兵器禁止条約に背を向け続けてきました。
唯一の被爆国として核兵器禁止条約の批准を要求しましょう。そのためにも、はじめてニューヨークで行われる原水爆禁止世界大会への代表派遣に取り組みましょう。
【4】地域から生産を守り、農政の転換を迫る運動
(1)戸別所得補償復活、国の責任による「出口対策」で安心の米作りを
(1)いつまで続けるのか!“豊作を心配しながらの米作り”
2018年度から生産数量配分を廃止した政府は、19年産米について「作付面積がやや多い」とし、作柄が良ければ、生産過剰となって米価が下落する危険性があるとして農家に非主食用米への転換を強く迫ってきました。19年産米の全国作況指数は、当初の豊作基調が、大型災害の影響を受けて「平年並み」の99となり、主食用米の生産量は727万トンで、需要がほぼ「均衡」する結果となりました。一方、米卸業者が2018年産在庫を潤沢に抱え、量販店などが「新米キャンペーン」を行わないこともあって、新米の引き取りが前年よりも1か月遅れとなっています。米の販売・出荷に当たっては、できるだけ売り急ぎを避けた対応が必要となっています。
今日の米政策の最大の矛盾は、農家が目標通りの生産を行っても、豊作になればたちまち生産過剰で米価下落が起こりかねないという不安定な状況が押し付けられていることです。“質の良い米を1粒でも多く採りたい”という農民が、たえず豊作を恐れながらの米作りが押し付けられ、業者も作柄に振り回されて安定的な取引が阻害されていることです。そして、外米が幅を利かせる一方、その結果、国内での米の生産が縮小され続けていることです。
米は国民の主食であり、稲作は日本農業の基本です。今の米政策は、日本農業を縮小させるもの以外の何ものでもありません。野党と連携して米政策を転換させる運動を強化しましょう。不安定な米作りと米価が押し付けられている状況のなかで、信頼できる販路を確保することがますます重要になっています。
(2)計り知れない米の直接支払交付金廃止の打撃
2018年産からの7500円(10アール)の米の直接支払交付金の廃止によって、多少の米価上昇があっても実質の米収入の減少となっています。当初の交付金は1万5千円であり、廃止の影響は全稲作農家に及んでいますが、政府が誘導してきた大規模経営が最も深刻な打撃を受けているのが現実です。「家族農業の10年」や「農民の権利宣言」からも、生産コストをまかなって生活できる所得を確保することが不可欠です。そのための大きな一歩が戸別所得補償であり、復活を実現するために全力をあげなければなりません。
豊作時の対策として一定期間、市場から米を隔離して古米で安売りする「周年供給・需要拡大対策」では、「出口対策」の実効性は確保されません。市場に対して供給過剰にならないよう、備蓄運営を活用した国の「出口対策」を制度として機能させることを要求してたたかいましょう。
温暖化による米の品質悪化が深刻です。政府に耐高温性の品種改良をはじめ、対策を要求します。
(2)気候変動による自然災害の激甚化と支援対策の強化・拡充
2019年は6月から10月にかけて豪雨や大型台風が連続して38都府県で甚大な被害を受け、農民連の会員の多くも被災しました。農民連は、いち早く被災現場に出向いて激励と被害調査を行い、農水省にこれまでの支援策の枠を超えた対策を連続的に要請し、実現させてきました。2019年11月7日に政府が発表した「支援対策」は、これまでの枠を超えた農民連の要求を反映したものとなったことは大きな成果です。「対策」の内容を被災農家に伝え、余すことなく活用するとともに、さらに現場の要求で充実させましょう。窓口となる自治体、都道府県への要求も強化することが重要です。
異常気象による大型災害が頻発しているもとで、避難所の改善、住宅再建対策、農業災害への備えと救済対策を抜本的に強化することが求められています。広く知恵を結集して政策的検討を行います。