新聞「農民」
「農民」記事データベース20200210-1395-01

農業・地域守る運動に広がる信頼

滋賀県農民連 日野支部

 滋賀県農民連日野支部(日野町)。TPP(環太平洋連携協定)に反対するたたかい以来、仲間を増やし、活動を発展させてきました。いま日米FTA(自由貿易協定)に反対し、国連「家族農業の10年」に向けた取り組みが始まるなか、町民から信頼を得ながら、活動を広げています。


今たたかわずして明日の農業は語れない
農政連の元役員が農民連会員に

 TPP反対運動 組織作り進める

 日野町では、2012年3月に「TPPから町民のいのちと暮らしを守る町民会議」を結成し、250人の参加で設立総会を成功させ、農業者政治連盟(農政連)、農業委員会、地域女性団体連合会、森林組合などとともに町ぐるみでたたかいを進めてきました。

 今日まで安倍官邸農政の暴挙に抗議して、山田正彦元農水大臣、坂口正明・全国食健連事務局長(当時)や家庭栄養研究会の山崎万里さん他を講師に、農業や食の安全についての学習会や講演会を積み重ねてきました。藤澤直広町長もTPP反対県民会議の設立者の一員として、この運動を激励し、毎回参加していただいています。

 たたかう農民連 魅力感じ仲間に

 日野町は、滋賀県農民連の東野進会長の地元。TPPとのたたかいを通じて、新聞「農民」読者と農民連会員を増やし、支部を結成して、町民とともに運動してきました。

 TPP11、日欧EPA(経済連携協定)、日米貿易協定が発効し、農業や国民生活への影響が心配されるもと、全国組織であるJA全中(全国農業協同組合中央会)はかつてのTPPのときのようなたたかいの旗を降ろしてしまいました。

 しかし、県のJA中央会や地域の単協(単位農協)は引き続き、各地で自由貿易反対のたたかいを続け、TPP反対県民会議では鈴木宣弘東大教授をはじめ多くの講師を招き毎年講演会を開くなど、たたかいを継続してきました。

 岡信夫さん(72)は、20年以上農政連に所属し、町の幹事長も務めてきました。「安倍政権になってからとくにみじめな農政になってしまった」と、厳しく批判します。

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滋賀県農民連日野支部のみなさん。(右から)福本修一さん、岡さん、東さん、東野県連会長、山添さん、中井良久さん

 「自由貿易推進で関税引き下げ・撤廃を強制され、国内では低米価のままで耕作放棄地の増加や鳥獣被害が相次ぎ、農村は疲弊している。これに何もしない農政とは何なのか」と怒ります。

 TPPとのたたかいのなかで岡さんは東野会長に新聞「農民」の購読を勧められ、読者に。「農民」を読んで、「農民連の信者」(岡さん)になりました。

 岡さんは、「いまFTA、EPA、日米貿易協定とのたたかいに取り組まずして農業を守れるのか。あすの農業を語れないのはおかしい」と農政連役員を自ら辞退しました。

 昨年末、東野会長から入会を勧められ、農民連の仲間に加わりました。また、TPP町民会議でがんばってきた山添敏一さんも入会しました。

 初の税金学習会 「ノート」で学ぶ

 仲間も増え、活気がでてきた日野支部。

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1月24日の税金学習会

 1月24日に、本部税金対策部の竹島茂直さんを招いて、日野町で初めて農民連の税金学習会を開くことができました。


滋賀県連事務局の野田美代子さんの話

 事前に告知のチラシを配布し、参加者8人中5人の方は、初めて農民連の学習会に参加でした。竹島さんには、農業の赤字申告をしなかった場合の比較を詳しく解説。実際に町の国保税や住民税額を示しての説明だったので、より興味深く実感することができました。

 申告書(9)番の「所得金額」が国保や介護保険料や利用料、住民税等の算出基準になることを学びました。農民連の『記帳ノート』を初めて手に取る人ばかりなので、経費項目ごとにノートで説明しました。「こんな場合はどうなるの? これはどこまで経費計上できるのか?」などたくさんの質問がでました。

 会員でない方も一人参加があり、竹島さんの絶妙な説明で大いに盛り上がった学習会でした。今後他の単組での開催に向けて大きな弾みになりました。


町長も農民連に期待

地域の食と農を若い世代に広げ

 日野支部の活動に対して、藤澤町長は「現場の要求を明らかにして国にしっかり伝える活動に敬意を表します。こうした活動を農業者のなかにさらに広げ、大規模・小規模農家、集落営農などに呼びかけて、担い手のすそ野を広げてほしい」と期待を寄せています。

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藤澤直広町長

 今後、日野支部は、地域の農と食の安全をどう守るかを考えるために、2月15日に、日野まちづくり研究会と共催で、日本の種子を守る会アドバイザーの印鑰(いんやく)智哉さんを招いて講演会を開く予定です。農業関係者をはじめ、子育て中の若い世代など食と農に関心のある人々に多く参加してもらおうと呼びかけています。

 東正幸・日野支部組合長は、「大切なのは行動すること。春の大運動で仲間を増やし、税金学習会や食と農を考える講演会を通して、町のなかでの『市民と野党の共闘』をさらに発展させていきたい。町でも家族農業の10年に呼応して『家族農林漁業プラットフォーム』結成への展望を開きたい」と意気込みます。

(新聞「農民」2020.2.10付)