新聞「農民」
「農民」記事データベース20200302-1398-06

地域から農政を転換し、
農業・農村を再生させよう

富山県農民連第32回大会


 富山県農民連第32回定期大会が2月9日、砺波市で行われました。大会は大橋国昭会長の開催のあいさつで始まり、全国連の笹渡義夫会長の基調講演が行われ、42人が参加しました。

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あいさつする大橋会長

 7、8割の農家 安倍農政ノー!

 笹渡氏は、過去最低の食料自給率37%、戸別所得補償制度の廃止、大型経済連携協定(自由化)、消費税増税で、「7年余の安倍政権は日本の農業にとって“失われた7年”だった」と指摘。7〜8割の農家、農業関係者が「安倍農政ノー」と声をあげ、歴史上例のない状況が生まれていることを強調し、「日米FTA(自由貿易協定)阻止は当面の中心課題。国連『家族農業の10年』を旗印に、政府に対して農政の転換を求め、地域で農業・農村を再生する取り組みを周りの農業者、多くの消費者とともに推し進めよう」と訴えました。

 厳しい農村現場から報告相次ぐ

 来賓として富山県米穀商業組合理事長、新日本婦人の会県本部事務局長、県労連事務局長、日本共産党県議会議員の津本二三夫氏がそれぞれ熱い連帯と激励のあいさつを行いました。

 討論では、厳しい農村現場の報告が相次ぎました、Aさんは、「2000年に集落営農を立ち上げ法人化し、若い2人の専従者を雇用したが、米価の下落と戸別所得補償制度廃止で、年間1千万円近くの赤字経営となった」と述べました。

 石川県境の中山間地で農業を営むDさんは、「5アール程度の小さな田んぼが大半で、合わせて20数枚計2ヘクタールを耕作しているが、平均反収は6俵程度で年間100万円の赤字、イノシシとの闘いで大変だ」と訴えました。

 未来に希望と信頼固め合った

 総会終了後、温泉に入り、富山のおいしいお酒と魚で交流を深めました。この総会で2人の入会者がありました。

 立山町のTさんは「今までラウンドアップを何のためらいもなく使っていたが、有機農業が世界のすう勢と変わりつつあることを知った。食品分析センターも利用したい」と入会。砺波市のSさんは「笹渡会長の元気の出る話が聞けてよかった。私は農家ではないけど、少しでも力になれれば」と入会。厳しい現状を語り農業の未来に希望と確信を固めあった大会でした。

(富山県農民連 水越久男)

(新聞「農民」2020.3.2付)
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