新聞「農民」
「農民」記事データベース20200302-1398-08

農家が得する
税金コーナー
(71)

千葉・木更津農民連


申告に向け税金学習会

 千葉県の木更津農民組合は2月13日、2020年3月の申告に向けた税金学習会を木更津市内で開催し、約10人が参加しました。

ボーっとしていると農家は
消費税増税で負担大に

 千葉県連の森吉秀樹事務局長が「10月の消費税増税で複数税率が導入され、今年の申告は複雑です。さらにインボイス(適格請求書)制度の導入が計画され、免税農家は、取引先に課税業者になるか値引きすることを要求される可能性があります。ボーっとしていると農家は大増税になりかねません」と消費税増税にともなう問題点を解説。

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資料を手に説明する森吉県連事務局長

 「どうしたらいいのか」との質問に、「インボイス導入をやめさせるのが一番」と運動を呼びかけるとともに「インボイスで値引きが強要されるより、課税業者になった方が負担が少なくて済むひどい仕組みだ」と説明すると、参加者からは「なぜこんなことをするんだ!」と怒りの声が上がりました。

 他には、台風被害の経費と収入について、「建物の保険やハウスなど農業用施設に対する共済は非課税だが、農業の売り上げの補てんの性格を持つ収入保険や水稲共済などは雑収入に計上する」などと解説。また経費算入のやり方について、会場の質問に答えていきました。会場からは「これは経費に入れたことがなかった」「農民連の記帳簿が一番つけやすい」などの声が上がっていました。

 今年から夫に代わって申告を始める女性は「いままで経費に入れていませんでしたが、慶弔費や日焼け止めなども経費に算入できることを初めて知りました。収入が少ないのに、なぜ国保税がこんなにかかるのか不思議でしたが、所得の合計(申告書の(9))が国保税の基準となることを聞き、経費がだいぶ漏れていたのだと、腑(ふ)に落ちました」と話していました。

(新聞「農民」2020.3.2付)
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