新聞「農民」
「農民」記事データベース20200309-1399-01

農民連食品分析センター検査で
学校給食パンからグリホサートを検出!

国産原料パンからは不検出

 農民連食品分析センターはこれまで、パスタや食パンなどの小麦製品を調査し、輸入小麦を使用する小麦製品から、発がん性が疑われている除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートの残留があったことを明らかにしてきました(新聞「農民」2019年2月18日付同4月22日付)。
 今回は小麦製品調査の第3弾として、19年6月から、子どもたちが食べる学校給食パンの調査に着手。呼びかけに応じて様々な人からサンプルが寄せられ、14製品の検査を行い、国産小麦・米粉で作ったパン以外のすべてからグリホサートを検出しました。


 グリホサートの残留検査は、高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)を利用した分析センター開発のグリホサート試験法で実施しました。検査対象成分は、グリホサートとその代謝物AMPAとなっています。

 その結果は、表の通りです。小麦の原産地についての情報が入手できたものについては、表の原産地欄に表示しました。

 14製品中、地場産小麦を使用しているものと、米粉を使用しているものの2製品からはグリホサートは検出されず、他の12製品すべてでグリホサートが検出されました。検出濃度は0・03〜0・08ppm。AMPAについてはすべての製品で検出されませんでした。

 今回の調査では、これまでの食パンやパスタなどと同様、国産原料のみの製品以外、すべてのパンからグリホサートが検出されました。

 この理由について分析センターの八田純人所長は「海外では収穫の効率化と製品の高品質化を目的として、収穫直前にグリホサートを散布(プレハーベスト処理)することが認められており、農水省は調査でアメリカ・カナダ産小麦の9割以上からグリホサートが検出されたと報告しています。この影響でグリホサートが残留していると考えられます。小麦のグリホサートの残留基準値は30ppm(2017年に6ppmから引き上げ)となっており、残留農薬基準を超過している小麦を使用して製造された製品はなさそうですが、成長期の子供が食べる給食パンで、外国産小麦を使ったすべてのパンから検出されたことは問題です」と話します。

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検査した給食パン

 日本国内では、そもそも小麦や米に対してグリホサートを直接散布することは認可されていません。2製品からグリホサートが検出されなかったのはそのためです。

 給食パンからのグリホサート摂取をなくすためには、原材料を輸入小麦から国産小麦や米粉に切り替えることが必要なことを結果は示しています。もちろんパンやパスタなどの小麦粉食から米食への切り替えも有効です。

 地場産小麦への切り替えや使用量を増やすためには、今のところ生産・製造現場や供給量確保などに、いくつかの課題があり、No1、2の給食パンのように、地場産小麦を一部使用する自治体があります。

 今回の結果では、そうしたパンの場合でも、グリホサートが検出されました。地産地消の食材を使用した学校給食を求める運動が、子どもたちをグリホサートの摂取から守るうえで重要なことが明らかになりました。

 分析センターでは学校給食パンの調査を全国的に広げ運動化していく必要があると考えています。しかし、衛生管理などの観点から、学校給食パンの持ち帰りは禁止されており、調査に必要な給食パンの入手は困難な状況です。

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北海道での小麦の収穫の様子

 八田所長は「自分たちの地域の給食の材料を調べる取り組みは、安心・安全な地場産給食を求める運動を一歩前進させるのに役立ちます。地方議員や教育委員会などに働きかけ、自治体への調査呼びかけや、試料の提供、調査資金支援などを実現させましょう。全国的な調査を広げ、学校給食のパンは国産小麦が当たり前の社会に変えていきましょう」と呼びかけています。


農水大臣「学校給食パンはステージが違うので対応を考えたい」

 日本共産党の紙智子議員は昨年11月28日、参院外交防衛、農林水産、経済産業の各委員会の連合審査で、グリホサートが学校給食のパンから検出されている問題を分析センターの調査結果を示しながら取り上げ、政府に対応を迫りました。

 江藤拓農水相は「学校給食については、児童・生徒という点から少しステージが違うと思うので、考えたい」と答弁しました。

(新聞「農民」2020.3.9付)